G戦場のレンタルサーバー
片桐・・・健太郎君・・・だね。
おじさんは・・・誰なの?
おじさんはね・・・お母さんの昔の友達さ。
昔の・・・友達・・・?
お母さんのことは・・・とても残念だった。
これからは大変かもしれないが・・・強く生きていくんだよ。
・・・おじさんもできる限りのサポートはしたいと思っている。
えっ・・・?
おじさんは・・・誰なの・・・?
私は・・・。
・・・ハッ!!
・・・!
ボーンどうしたの?
また、いつもの夢・・!?
・・・いや・・・。
母が亡くなった時のことを思い出していた。
お母さんの・・・?
・・・雨・・・か。
しばらく降り続くみたいよ。
・・・そうか・・・。
(さっきの夢・・・。あの男・・・。
なぜ、今になって、あの時のことを思い出したんだ・・・。)
それにしても、今日はすごい雨ね・・・。
・・・SERPsのウェザーリポートは正常だがな。
フフフ、雨が降っても検索エンジンの動きに変化はなし、ということかしら。
ボーンったら、何でもすぐにSEOの話に結びつけちゃうんだから。
そうそう、あの子たちのサイト、最近、検索順位をどんどん上げているわ。
「オーダー家具」のワードで1位になる日も近いかもよ。
ああ。
しかし、そろそろ、“物理的な問題”に直面する頃だろう。
“物理的な問題”・・・?
吉田くん!
今回もツイート数がすごいわ!
めぐみさん!
「いいね!」の数も3,000を超えています!
まさか、あのブログがこんなに変わるなんて・・・。
高橋君のアイデアのおかげね。
いえいえ、このコンテンツが成功したのは、めぐみさんが“表に出ること”を決意してくれたからですよ。
私・・・、最初に高橋君の企画を聞いたとき、無理って思ったの。
だって、ネットで顔を出すことって、すごく怖いことだと思ってたし。
でも、このコンテンツの目的を聞いて、やらなきゃ!って気持ちになったの。
マツオカの看板を背負う以上、「恥ずかしい」とか言ってられないものね。
このコンテンツの連載が始まってから、めぐみさんのTwitterアカウントのフォロワー数もどんどん増えています。
めぐみさん本人にも“メジャー感”が付いてきた感じだな。
それにしても、このコンテンツのアイデア、さすがですね!
バズボンバーで学んだノウハウを、高橋さんなりにアレンジして、見事にマツオカのオリジナルコンテンツを作り上げてしまった・・・!
ははは、めぐみさんがいてこそのコンテンツだけどな。
高橋さん、今回のコンテンツ、どういう流れでプランニングされたか、教えていただけませんか?
よし・・・、そろそろ話してもいいな。
●新コンテンツ
「あなたの人生を変える家具のお話」について
俺はバズボンバーへインターンへ行き、彼らから“メジャー感”の大切さを学んだ。
彼らのコンテンツには独自性がありつつも、「そうそう、それ!」という定番感があり、それが多くの人からの支持を集める理由だった。
ただfunnyなだけじゃなく、見る者に“気恥ずかしさ”を与えないだけのクオリティが担保されていたんだ。
ただ、俺たちに彼らのコンテンツの真似はできない。
彼らはfunnyなコンテンツに命を懸けているし、元々、お笑いのセンスも抜群だ。
同じ土俵で闘っても勝負は見えている。
だから俺は、ボーンさんの言うとおり、引き続き、interstingなコンテンツで攻めることにした。
interestingなコンテンツに、なんとか“メジャー感”をプラスできないか?
そう考えることにしたんだ。
そして俺は、何かヒントになるネタはないかと、自分が過去に観てきたテレビ番組や漫画などのコンテンツを思い返し始めた。
・・・すると、一つのテレビ番組を思い出したんだ。
それは、「徹子の部屋」だった。
徹子の部屋!?
そう、徹子の部屋さ。
・・・続きを話すぜ。
徹子の部屋という番組には大きく分けて、三つの特長がある
- ゲストのインタビューがそのままコンテンツになるため、ゲストがいなくならない限り、コンテンツにはずっと困らない
- 良質なゲストのインタビューをおこなえばおこなうほど、コンテンツの内容は魅力的になり、番組には“箔”がつく
- 番組が有名になればなるほど、出演したゲストのブランドが高まるため、出演を希望するゲストも増えていゆく
この三つの特長を、マツオカのコンテンツで表現できないかと考えたんだ。
そこで、次のように考えたわけさ。
- 家具を愛する様々なゲストを招待し、そのゲストの家具に対する思いをそのままコンテンツにする
- ゲストとして招待するのは、ファンを多く抱えるブロガーや起業家を中心に
- 出演したゲストのブランドが高まるよう、コンテンツの構成や演出にはこだわる
もちろん、徹子の部屋は「黒柳徹子」さんという強烈なインタビュアーの存在があるから成立しているわけだが、今回はその役をめぐみさんに引き受けてもらうことにした。
めぐみさんは芸能人ではないし、インタビュアーの経験もないが、「聞き手」としての魅力は備えていると感じていた。
- 何事にも興味を持つ、素直な性格であること
- 玄人を相手にしたオーダー家具業界で、若くしてがんばっている女性経営者であること
特に後者の、“がんばっている若手経営者”というのはポイントが高かった。
人はがんばっている人を見ると、応援したいと思うからな。
「何かアドバイスをしてあげたい」と思って、どんどん話をしてくれる
そして、玄人を相手にしたオーダー家具業界で働いているということも、アドバンテージだった。
玄人を相手にしているということは、ビジネスにおいて“品質”を大事にしているということ。品質の高さは、その人の「品格」にもつながる。
つまり、ゲストはめぐみさんと話すことで、自分の品格も高められるというわけさ。
す・・・すごい・・・。
だてにバズボンバーの人たちと飲み歩いていたわけじゃなかったんですね・・・!
の・・・飲み歩く・・・??
あ、ああ、以前の俺だと、こんなアイデアは思いもつかなかっただろうからな。
私は気持ち的に複雑だけど・・・。
大丈夫ですよ、めぐみさん。
このコンテンツの方向性は間違っていません。
あと、もう一つ質問があります!
なぜ、タイトルを「あなたの人生を変える家具のお話」にしたんでしょうか?
そうだな。
一番大きな理由は、タイトルに「そのタイトル、なんか聞いたことがあるかも?」という“メジャー感”を加えたかったからだ。
「めぐみの部屋」というタイトルも考えたが、徹子の部屋をあからさまに意識した感じが出てしまうし、響きもイマイチ。
そこで、過去ヒットした色々なコンテンツのタイトルを参考にした上で、「あなたの人生を変える家具のお話」というタイトルにしたのさ。
なるほど・・・!
このタイトル、本当に素敵だと思います!
私もこのタイトルだったら「出演してみたい」って思った!
ありがとうございます。
ここまでロジカルに説明してきましたが、このコンテンツの最大の目的は、出演してくれるゲストの方々に喜んでもらうことです。
ゲストが喜んでくれれば、彼らは自身のソーシャルメディアを介して、このコンテンツのことを宣伝してくれます。
そうすれば、リンクが自然に集まってきます。
あっ、そうか・・・!
また、コンテンツを見る側も、今をときめくキーパーソンたちが語る家具へのこだわりに触れられるので、勉強になります。
家具は生活の三大要素である“衣食住”でいうところの「住」にあたるコンテンツ。
興味のない人なんてほとんどいません。
だから、多くのユーザーにとって、まさに「interesting」なコンテンツになるんです。
今回のコンテンツは、見る側、出演する側、つくる側、すべての人が幸せになれる、まさに“三方良し”のコンテンツなんです。
すごい!!
なるほど・・・!!
高橋さん、超カッコいいです!!
さらに言えば、このコンテンツは、普段funnyなコンテンツをリリースしているバズボンバーには作りにくいコンテンツですね。
もし、このコンテンツを真面目に作ってしまうと、せっかく作り上げた“バズボンバー=突き抜けたお笑い集団”というブランディングが弱まってしまいますから。
まさに、そうなのさ。
バズボンバーがfunnyなコンテンツで突き抜けているのなら、うちは違う方向で突き抜ければいいだけなのさ。
高橋君の狙いはバッチシね。
このコンテンツをリリースしてから、すごい数の人が観に来てくださっている。
そうなんです。
そして、“めぐみファン”もじわじわと増えていますよ。
そう言われると恥ずかしいけど・・・。
ブログを読んでくださる方が増えたのは純粋にうれしいわ。
Googleアナリティクスのデータを見る限り、1セッションあたりのページ閲覧数も3倍くらいに増えてますね。
おっ、良い感じ!
このブログをきっかけに、マツオカの家具に興味を持つ人が増えたらいいな。
ふふふ、絶対に増えますよ。
ありがとう。
高橋くん、本当に変わったわ・・・。
なんだか、すごく頼もしくなった。
ははは。
それはですね。
めぐみさん、そして、ボーンのアニキやヴェロニカさんのおかげです。
ようやく、少しずつですが、Webマーケティングの“本質”というものがわかってきた気がします。
本質・・・。
思えば、今日に至るまでいろいろなことがありましたね・・・。
社長が倒れ、めぐみさんがマツオカを支えることになったあの日から、もう7ヶ月が過ぎました。
このブログは、毎日一生懸命がんばっているめぐみさんの姿を見ていて思いついたんです。
俺はこれからも、マツオカ、そして、めぐみさんを支えていきたいと思っています。
(・・・はっ!!)
(あれ・・・これって愛の告白っぽくねーか?)
え、えと・・・えと・・・。
あ、ありがとう!高橋くん!
い、いえいえ!
さあ、これからどんどんマツオカのサイトを盛り上げていきましょう!
うん!!
ああっ!!!
よ、吉田くん、どうしたの!?
またです・・・!
また、「503 Service Unavailable」っていうメッセージが出て、うちのサイトが表示されなくなりました・・・。
えっ、また・・・!?
むむむむ・・・!!
どうしたの?
3人とも?
あっ、ヴェロニカさん!
お前たちのブログ、最近、ソーシャルメディアでよくシェアされているようだな。
ボーンのアニキ!!
ボーンさん!
そうなんです。
高橋君が作ってくれたコンテンツがすごく良い感じなんですよ。
どうやら、バズボンバーでのインターンの経験は無駄にはならなかったようだな。
おう!
ボーンのアニキにバズボンバーへ送り込んでもらったおかげで、
あそこでしごかれた経験が、今、すごく役に立ってるぜ。
ふふふ。
ほんと、高橋君、見た目まで変わっちゃったものね。
へへへ。
ただ、実は困ったことが・・・。
困ったこと?
はい・・・。
高橋さんのアイデアのおかげで人気コンテンツは生まれたんですが、実は最近、瞬間的に大きなアクセスがくると、サイトが表示されなくなるケースが増えてきてしまったんです・・・。
サイトが表示されなくなる?
はい・・・。
「503 Service Unavailable」というメッセージが頻繁に表示されるようになったんです・・・。
503エラー・・・!
一度、エラーが出ると、お店のサイトまで見れなくなって困っちゃってるんです・・・。
何が原因かよくわからなくて・・・。
・・・原因は、お前たちの借りている“レンタルサーバー”にありそうだな。
えっ・・・!
うちで借りているサーバーにですか!?
そうだ。
サーバーが設定している「同時接続数」にな。
同時接続数!?
・・・このサイトで使っているサーバーはどこのサーバーだ?
あ、たしか・・・。
「ナノサーバー」ってところだったかな・・・。
そういえば、毎月請求書が届いていたわ。
あ、これね。「ナノサーバーのスタンダードプラン」って書いてある。
スタンダードプラン・・・?
あ、ええと、ナノサーバーのサイトで調べてみます。
あ、これですね。
月額1,200円のプランです。
月額1,200円・・・。
・・・。
ハードディスク容量は200GB、転送量は一日50GBまで。
そして、回線は100Mbpsの共用回線。
一般的な「共用サーバー」ってところだけど。
こ、このサーバーって、もしかしたら、契約するとマズいサーバーなのか!?
知らん。
えええっ!?
自分たちの「ビジネスの砦」に興味を持たないやつなど論外だ。
ビジネスの砦・・・?
あ、ボーンはね、Webサイトが格納されているサーバーのことを「ビジネスの砦」って言う癖があるの。
コンテンツを兵士に置き換えてみたらわかるわ。どんなに良いコンテンツ(兵士)を揃えていても、そのコンテンツ(兵士)が100%のポテンシャルを出せる場所がないと意味がないわよね?
そ、そうか・・・!
俺たち、コンテンツのことにばかり夢中で、肝心のサーバーのことを考えていなかった・・・!
コンテンツが順調だからといって、いい気になるな。
足元をすくわれ続けるぞ。
め、面目ねえ・・・。
・・・ヴェロニカ、こいつらに共用サーバーの仕組みを解説してやってくれ。
OK、ボーン。
お前たち、コンテンツマーケティングを本当に成功させたいのなら、サーバーの基礎知識くらい覚えておくんだな。
はっ、はいっ!!
じゃあ始めるわよ。
まずは、「共用サーバー」の定義から。
「共用サーバー」とは、シンプルにいえば、一台のマシンの中に複数のユーザーのサイトが格納されているサーバーのことよ。
一台のマシンの中に、複数のユーザー・・・?
そう。
現在、マツオカが借りているサーバーの中には、他のユーザーのサイトもたくさん格納されているの。
一台のマシンを複数ユーザーで使うからこそ、利用料が抑えられるというわけよ。
そ、そうだったのか・・・!
ただ、共用サーバーにはデメリットがあるの。
それは、一台のマシンの中にたくさんのユーザーが存在すればするほど、サーバー負荷が高りやすいということよ。
負荷が高まる・・・!?
も、もしかして、それがマツオカのサイトに「503 Service Unavailable」というメッセージが出る理由なんですか!?
まあ、そうね。
試しに、お前たちが借りているサーバーが、“どれだけのサイトを格納しているか”を確認してみるぞ。
えっ、そ、そんなことわかるのかよ!
はああああああ・・・!!!
も、もしかして、いつものような必殺技が・・・!
くっ、来るっ!!!
(あ、あれっ?今日は爆風が起こらなかった・・・)
こ、これは・・・!!
これはね、あなたたちのサーバーに同居しているサイトのリストよ。
マイクロソフトが運営する検索エンジンに「Bing」というものがある。
実は、このBingには調査に役立つ便利な機能がいくつかあり、そのひとつに、自分のサイトのIPアドレスを検索窓に打ち込むことで、そのIPアドレスで運営されているサイトをリストアップできる機能があるのだ!
ちなみに、自分のサイトのIPアドレスがわからないのなら、以下の方法で調査可能だ。
もしWindowsを使っている場合は、「コマンド プロンプト」という画面を開き、その画面で「nslookup」と入力したのち、自分のサイトのドメインを入れて[Enterキー]を押してみる。
そうすれば、そのドメインに割り当てられたIPアドレスが表示されるのだ!
(例:nslookup www.web-rider.jp)
す、すごい・・・。
うちのサーバーにこんなにたくさんのサイトが同居していたなんて・・・。
うおおおっ、あの芸能人のオフィシャルサイトも入ってるぜ!
わわっ、あのWeb制作会社もここのサーバーを使っていたんだ・・・。
はしゃぐのはそれくらいにしておけ。
・・・やはりな。
どうやら、このサーバーはユーザーを多く抱えすぎている。
えっ・・・!?
結論を言う。
早急にサーバーを乗り換えろ。
えっ!!?
ええええええ!!!?
や、やっぱり、今使っているサーバーは“落ちやすい”ってことなのかよ!?
どこかのサイトがたくさんアクセスを集めてしまうと、同居しているうちのサイトにもしわ寄せがくるから、ユーザー数の少ないサーバーへ引っ越せってことなのかな・・・。
吉田くん、良い線いってるわ。
ただね、503エラーが出る原因はもう少し先にあるの。
そして、高橋君、さっきあなたは「サーバーが落ちやすい」と言っていたわね。
残念ながら、あの発言は間違い。
なぜなら、503エラーは「サーバーが落ちた」というメッセージではないの。
えっ・・・!?
503エラーは、あくまでも「同時接続数を超えた」というメッセージ。
「同時接続数を超えた」・・・!?
さっきボーンさんが言っていた言葉だ・・・!
同時接続数・・・!?
●「503 Service Unavailable」というメッセージが出る仕組み
503エラーの解説をする前に知っておいてほしいことがあるの。
それは、レンタルサーバーの「ビジネスモデル」についてよ。
さっき、「共用サーバー」は多くのユーザーを格納している分、安く借りれると伝えたわね。
安く借りれる分、各ユーザー同士でサーバーのポテンシャルを取り合う形になるんだけど、もし、共用サーバーの中に、飛び抜けてトラフィックの多い特定のサイトがあったとしたら、サーバーの負荷はそのサイトに引きずられる格好になる。
でも、そうなったら他のユーザーは困るわよね。
だから、サーバー会社は、イレギュラーなサイトのトラフィックを抑えることで、できるだけ多くのユーザーの満足度を平均的に高めるための対策をおこなっているの。
それが「同時接続数の制限」よ。
ここでいう「接続数」とは、ユーザーがサイトに訪れた時に発生する接続のこと。
つまり、「同時接続数」というのは、同じタイミングでサイトを見ているユーザーの総数なの。
サイトへ瞬間的にアクセスしてきたユーザーの数が、サーバー側で設定した限界値(同時接続数)を超えた場合、「503エラー」というメッセージを表示し、サイトを見られなくする。
そうすることで、同じ共用サーバーを使っている他のユーザーへの影響を防いでいるのよ。
だから、503エラーが出ている状態は、サーバーが落ちているわけではなく、サーバー会社が意図的にそのサイトへのアクセスを遮断している状態だといえるの。
また、サイトの構造が原因で、実際のアクセスがそれほど多くなくても、サーバー側で設定された限界値(同時接続数)を超えてしまうケースもあるわ。
データベースへ頻繁にアクセスする動的なサイトなど、一回のアクセスで、たくさんのファイルやプログラムを呼び出してしまうようなサイトね。
そういったサイトは、サイトの構造を見直す必要があるんだけど、前述したように、サーバー会社が設定した同時接続数は変わることがないわけだから、結局のところ、共用サーバーを使っているかぎりは、503エラーのリスクからは逃れられないというわけよ。
なるほど・・・。
そんな理由があったのか・・・。
そして、安価な共用サーバーの場合、一見スペックが高く見えても、ユーザーをたくさん詰め込むことで利益をあげているケースがあるわ。
そうなると、割り当てられているユーザーが多いわけだから、同時接続数の制限も厳しくなるわけね。
つまり、安価な共用サーバーほど503エラーが出やすい可能性があるわ。
ボーンさんが新しいサーバーを探せといった意味がわかってきました・・・。
そう、あなたたちのサーバーは、価格帯から察するに、503エラーが出やすくなっている可能性があるの。
なるほど・・・。
安いからといって喜んじゃダメなんだな・・・。
安いサーバーには、安いだけの理由がある。
Webマーケティングを本気で成功させたいなら、自分たちのビジネスステージに合ったサーバーを選べ。
自分たちのビジネスステージ・・・!
以前までのマツオカのサイトは、トラフィックがほとんど発生していなかった。
だから、今までのサーバーでも十分だったんだ。
でも、コンテンツマーケティングを軸にすれば、そのトラフィックは何倍、何十倍、何百倍にも膨れあがる。
・・・だから、サイトのステージに合わせたサーバー選びが重要になるってことか・・・。
そうだ。
サーバーはお前たちの「ビジネスの砦」。それを忘れるな。
お、おう!!
せっかくなので、もう一言アドバイスをしておくわ。
昔のWebはネット全体のトラフィックの量が少なかったから、503エラーなんてあまり見かけなかったけれど、今のWebは違うわよね。
昔のWebにはなく、今のWebにあるものって何だかわかる?
・・・あっ・・・!
ソーシャルメディアの存在ですね・・・!!
ご名答。
今はTwitterやFacebookをはじめとしたソーシャルメディア隆盛の時代。
数年前とは比較にならないくらいのトラフィックが、色々なサイトで発生しているわ。
だからこそ、サーバーを選ぶときは、トラフィックを十分にさばけるかどうかを確認しておく必要がある。
特に、今のマツオカのサイトのように、コンテンツマーケティングに力を入れているサイトはなおさらだな。
大切なのは、ソーシャルメディアからの急激なトラフィックに耐えられるかどうか。
503エラーが頻繁に出るということは、それだけ、多くの人にコンテンツを知ってもらえる「機会」を損失しているということよ。
機会損失・・・!!!
なるほど・・・!
そう考えると、サーバー選びを慎重にしなきゃいけない理由がわかりますね・・・。
そう。
トラフィックの急増なんていつ発生するかわからないもの。
でも、トラフィックが発生してから対策を打っていては、遅いの。
先手、先手で対策を打っておく必要があるってわけですね・・・!
よし。
マツオカのサイトは第二ステージへ移行した。
今後の機会損失を防ぐためにも、移転先のサーバー候補を探し始めろ。
はいっ!!!
大事なのは「守り」の姿勢でサーバーを選ぶことではなく、「攻め」の姿勢でサーバーを選ぶことね。
503エラーで失ったチャンスは、もう二度と訪れない。
月々わずか数千円の節約をしたことで、大事なビジネスチャンスを逃すのなんて、本末転倒だから。
日本のWebはどうもサーバーに投資をしない傾向にある。
どうでもいい広告には予算を注ぎ込むが、ビジネスの砦となるサーバーに予算を回さないのが、俺は理解できん。
おっしゃる通りです・・・。
攻めの姿勢でサーバーを乗り換えてみます・・・!
な・・・なんだと!?
マツオカのサイトが検索順位を上げてきている・・・!?
はっ、はい・・・。
本日確認したところ、3位になっております・・・。
さ、3位・・・!?
なぜ、急に順位を上げてきたのだ・・・!?
このブログが原因のようでございます・・・。
・・・!?
このブログ、なんだこのツイート数は・・・!?
なぜ、これほどまでにバズっているんだ・・・!?
風の噂によると、マツオカのWebデザイナーの「タカハシ」と名乗る人物が、バズボンバーに弟子入りをし、コンテンツマーケティングのノウハウを学んだらしく・・・。
なっ・・・!
ど、どういうことだ・・・!?
バズボンバーめ、何を考えている・・・!!?
遠藤社長!米国本社からご連絡です。
リンク会長が緊急で話したい・・・と。
・・・!!
わかった。今からつなげると伝えてくれ。
遠藤だ。
リンク会長とつなげてくれ。
ハ~イ。
遠藤ちゃ~ん。
はっ!リンク会長!
本日はいかなるご用命でしょうか・・・?
え~とね~。
アタシ、今、すっごく機嫌が悪いの。
・・・!!
遠藤ちゃん、前に言ってたよね~。
「ボーンを徹底的に叩きつぶす」って。
でも、さっき知ったんだけど、ボーンにコテンパンにやられているみたいじゃない~。
そ、それはですね・・・!
だまらっしゃいっ!!!
・・・!!!!!
あのねー、ガイル・マーケティング社はねー、ボーンのような馬の骨に振り回されていい会社じゃないの。
このままボーンのやつに負けるようなことがあれば・・・。
遠藤ちゃん、あなた、“首”だからね。
・・・くっ・・・!!
じゃ、今日はそれだけ。
リベンジ期待してるわよ~。
く・・・くそおぉぉぉぉー!!!!!!
ボーンのやつめ・・・!!!
絶対にゆるさんぞ・・・!!
・・・遠藤社長。
・・・!!?
なんだ、井上・・・!?
私めに、提案がございます。
提案・・・!?
お忘れではございませんか?
我々には、前回の調査で仕入れたボーンの“あの情報”がございます。
あれを使わない手はございません。
どうやら、何か思いついたようだな・・・。
はい。
たまには、荒療治も必要かと・・・。
なるほど・・・!
少々手荒ではあるが、ヤツとマツオカを手っ取り早く葬り去るにはその手しかあるまい。
では、私めは準備のほうにかかります。
・・・。
フフフ・・・。
ハーッハッハッハ!!
ボーンめ・・・!
この遠藤を怒らせたことを後悔するがよいわ・・・!!!
めぐみさん!!
すごいところから問合せが届いてますよ!
あの「Webマーケティングプレス」からの取材依頼です!
Webマーケティングプレス・・・!?
はい、Webマーケティングに関する情報が集まる、国内最大のWeb担当者向けポータルサイトです!
ど、どうして、そんなすごいサイトがうちなんかに取材依頼を・・・!?
どうやら、一部のWeb界隈で、マツオカのWebサイトがすごいことになっているって噂があるそうです。
えっ、で、でも、うちがWebマーケティングに力を入れ始めたことって、どこにもアナウンスしてないわ。
多分、どこかのITに明るい会社のWeb担当者がマツオカのサイトを見ていて、マツオカのソーシャルメディア運用や、検索結果での上位表示状況などを知って、密かに注目してくれていたんですよ。
「Webマーケティングプレス」から取材依頼が来るなんて、本当にすごいです!!
へへへ。
なんだか、うちもメジャーな企業の仲間入りって感じだよなあ。
はははは。本当ですよね。
日本、いや、世界に羽ばたくマツオカ!
なんちゃって!
もう、二人とも!
からかわないで!
すごいわね。
マツオカもここまで来たってことね。
ヴェロニカさん・・・。
取材依頼が来たということに関しては、素直に喜んで良いわよ。
それだけマツオカが注目されているってことだもの。
ありがとうございます・・・!
でも、うちがここまで成長できたのは、ヴェロニカさんやボーンさんのおかげです。
本当にありがとうございます・・・!
いいえ、私たちは”きっかけ”を与えたに過ぎないわ。
あなたたちは私たちのアドバイスに素直に従い、行動してくれた。
だからこそ、マツオカは復活したの。
あなたたちの力よ。胸を張りなさい。
・・・!
あ、ありがとうございます・・・!
・・・。
ボーン。
そういえば、あなたからこの子たちへの最後のアドバイスがあったわよね。
ああ。
めぐみさん、高橋くん、吉田くん、よく聞いて。
ボーンからの最後のアドバイスよ。
えっ、さ、最後!?
そろそろ、コンサルの契約期間も終了だ。
お前たちは十分に成長した。
もう、俺たちの力は必要ない。
えっ!!?
ボ、ボーンのアニキ、まだ俺たちのそばにいてくれよ!
そ、そうです!!
シリコンバレーには、あなたのようなWebマーケッターはいなかった!
僕はあなたに教えてほしいことがまだまだあるんです!
フフフ、大袈裟ね。
ボーンは死ぬわけじゃないんだから。
あなたたちがピンチになったら、いつでも駆けつけるわよ。
もちろん、コンサルフィーはしっかりいただくけどね。
ヴェロニカさん・・・。
うっ、ううう・・・。
よし。
・・・最後のアドバイスを伝えるぞ。
・・・!!!
はっ、はい!!!
今回の取材は受けるな。
えっ・・・!!
へ???
な、なぜだ!!?
Webマーケティングプレスっていうと、Web業界では知らない人がいないほど有名なサイトだぜっ!!?
そ、そうですよ!
マツオカの知名度もアップするし、何より、取材されたコンテンツは、ソーシャルメディアで拡散されて、自然なリンクもたくさん獲得できるはずです!
ボ、ボーンさん、なぜ・・・?
その答えは自分たちで見つけるんだ。
じ、自分たちで・・・。
ボーンさんはなぜ取材を受けちゃダメって言ったのかしら・・・。
自分たちで考えろって言われたけど、3人で考えてもわからなかった・・。
ボーンさん、私たちに何を伝えたいのかな・・・。
うーん、あれ-、おかしいなあ・・・。
・・・?
(あの人、しゃがみこんで何をしてるの?)
あ、す、すいません、ちょっとコンタクトを落としてしまいまして・・・。
コンタクト・・・!
それは大変です!
私も探します・・・!
ありがとうございます・・・!!
えっと・・・、スマホのフラッシュでこのあたりを照らせば見つかるかも・・・。
・・・。
マツオカメグミだな・・・。
・・・!
えっ・・・!?
キャッ!!
・・・。
優しいお嬢ちゃんで良かったよ。
すんなり眠ってくれたので、乱暴なことをしなくて済んだ。
ええっ!
めぐみさんが出社してない!?
そ、そうなんです。
携帯に連絡してもつながらなくて・・・。
今まで、何の連絡もなしに会社を休んだことなんてなかったのに・・・。
どうしたんだろ、めぐみさん・・・。
・・・!?
た、高橋さん!!
こ、このメール・・・!!
メール・・・!!
こ、これは・・・・!!
おはよう、二人とも。
昨日のボーンのアドバイスの意味はわかったかしら?
ヴェ、ヴェロニカさん、大変なことになりました!!
大変なこと?
こ、このメールを見てください・・・!!
「ボーン・片桐へ。
マツオカメグミはあずかった。
返してほしければ、今日の24時、港区の第三倉庫まで一人で来い。
警察には知らせるな。メグミの命は保証しない」
い・・・一体誰が・・・!?
め、めぐみさん・・・!!
ボーン!
これって・・・!?
まさか・・・!!
・・・!!
コンテンツマーケティングが軌道に乗り、その存在感を高め始めたマツオカのWebサイト。
その成功の影で、邪悪な力が動き始めていた。
ガイル社の井上にさらわれためぐみ。
果たして彼女は無事なのだろうか?
マツオカのサイトを巡る戦いは、ついに終止符を迎える・・・!
次回、沈黙のWebマーケティング最終話、
「さらばボーン!沈黙の彼方へ」
今夜も俺のインデックスが加速する・・・!