真実のソーシャルメディア運用
ええっ!?
ソーシャルメディア上に露出起点をつくる・・・!?
それって、もしかして・・・。
今マツオカが運用しているTwitterアカウント以外に、別のアカウントをつくるってことですか?
そうだ。
た、確かに、Twitterアカウントを増やして運用すれば、露出は増えそうですが・・・。
でも・・・。
でも?
今のマツオカのアカウントでさえ運用がうまくいっていないのに、どのように運用していけば・・・。
あ、そうだ!
Facebookページはどうなんだ!?
Facebookページのほうが運用しやすい気がするけどな!
・・・Facebookページの運用は後回しだ。
Twitterアカウントの運用を強化する。
・・・えっ・・・!?
な、なぜ、Facebookではなく、Twitterにこだわるんですか!?
・・・それはあとで話す。
Twitter・・・。
どうかした?
あ、あの・・・私・・・。
Twitterの運用に自信がないんです・・・。
マツオカのアカウントを半年くらい運用し続けてきたんですが、フォロワーはほとんど増えないし、つぶやく内容にも困っていて・・・。
マツオカのアカウントを見せてくれる?
は、はい。
このアカウントです。
・・・。
このアカウント、つぶやいてもつぶやいても、フォロワーさんからのリアクションがなくて・・・。
それでモチベーションが下がってしまって・・・。すいません・・・。
なるほどね。
確かにこのアカウントじゃ、フォロワーからのリアクションがないのは当然ね。
・・・えっ!?
このアカウントの運用がうまくいかないのはね、フォロワーとの「コミュニケーション」がとれていないからよ。
コミュニケーション・・・!?
例えば、このアカウントのつぶやきは、ほとんどが自社の宣伝ばかり。
こんな宣伝ばかりのアカウントを見て、誰が絡みたいって思う?
・・・あっ・・・!
もし、このアカウントのフォロワーがマツオカの家具の熱烈なファンばかりなら、一方的な宣伝をしても問題ないわ。
でも、フォロワーの顔ぶれを見る限り、そうではなさそうね。
は、はい・・・。
フォロワーさんのほとんどは、私がフォローをした後にフォローを返してくださった方ばかりです・・・。
そうだと思ったわ。
ということは、「マツオカの家具には興味がないフォロワー」が多そうね。
う・・・うう・・・。
もし、マツオカが超有名な企業なら、ある程度好きなつぶやきをしても、フォロワーは興味を持って接してくれる。
超有名というだけで、ファンのコミュニティは自然発生するし、有名人に絡めるというだけで自己顕示欲が満たされるユーザーって多いの。
・・・でも、マツオカは有名な企業じゃない。
はい・・・。
だから、アプローチとしては、有名人の真似をしていてはダメよ。
自分から積極的にユーザーとコミュニケーションをとっていく必要があるの。
・・・!
ただし、注意すべき点はコミュニケーションのとり方よ。
めぐみさん、以前、吉田くんが「販売サイト」と「リンクが集まるコンテンツ」を分けるという話をしていたのを覚えてる?
販売サイト、つまり、セールスにつながるもののことを、私たちは「セリング」と呼ぶけれど、通常、コミュニケーションはセリングでは成立しにくいの。
だから、「コンテンツ」を介してコミュニケーションをおこなう必要がある。
コンテンツを介して・・・!?
そう。
相手の会社の商品やサービスに興味がなくても、その相手が発信している「コンテンツ」に興味を持つユーザーは多いの。
そ、そういえば、先日ボーンさんからいただいたマインドマップにも、「コミニュケーションのきっかけとなるコンテンツをつくれ」と書いてありましたね・・・!
そう。
Twitterで何かをつぶやくときは、「そのつぶやきでどういうコミュニケーションが生まれるのか?」を考えながらつぶやくといいわ。
コンテンツを考えるときと同じね。
たとえば、何かのWebコンテンツをTwitterでシェアするときは、そのコンテンツをきっかけとして、どんなコミュニケーションを起こしたいかを考えるの。
なるほど・・・。
ただ、問題は、こちらがアクションをとった時に、周りの人がコミュニケーションをとろうと近寄って来てくれるかどうかね。
実は、多くのTwitterユーザーは、「絡んでいいかわからない雰囲気」を自分から出してしまっているケースが多いの。
絡んでいいかわからない雰囲気・・・!?
学校のクラスにいるちょっとスマした同級生、みたいな感じか。
あら、高橋くん。上手く表現したわね。
いや~、それほどでも。
じゃあ、そのスマした同級生がたくさんいる教室をイメージしてみて。
・・・。
うわ・・・想像しただけで息が詰まりそうだ・・・。
でしょ?
本当は誰かに絡んでほしいけれど、それを自分から言い出せなくて、ひたすらに自分の独り言を発信している人が集まる場所、それがTwitterだったりするの。
えー!?
超面倒くさい・・・。
もちろん、Twitterユーザーの中には、情報収集目的と割り切って、誰ともコミュニケーションせずに情報をウォッチしている人もいるわ。
ただ、誰かとコミュニケーションをとりたくて使っているユーザーは多いの。
だから、自分が誰にフォローされ、誰にフォローを外されたのかを管理するサービスが人気になっちゃうわけね。
「自分が誰にリムーブされたか」を気にする方って、たくさんいるんですね・・・。
そうなのよ。
でも、その割には他人へ絡むことに抵抗を持っているユーザーが多い。
だからね、Twitterでコミュニケーションを加速させるのであれば、シンプルにこう行動してみるといいわ。
自分から相手に絡んでいくのよ。
自分から絡んでいく・・・!?
そう。
たとえば、めぐみさんがフォローしている相手のツイートが素敵だと思ったら、そのことを「RT(リツイート)」や「いいね」、「@(メンション)」などで伝えてあげるの。
また、相手がブログを持っていて、記事更新の告知をしていたら、その記事を読んだ感想を「@(メンション)」、「RT(リツイート)」などで伝えてあげるといいわ。
そういったことを繰り返していれば、マツオカのアカウントに好意的な感情を抱くフォロワーが増えるわ。
で、でも、私にそんなコミュニケーションができるのかが不安です・・・。
大丈夫よ。
大切なのは、相手に「誠実な関心」を寄せること。
自分に関心を寄せてくれている人を嫌う人なんて、いないわ。
誠実な関心・・・!?
そう。
誠実な関心。
上っ面だけのコミュニケーションではなく、相手のコンテンツを誠意をもって評価し、その感想を伝えるの。
伝えるべき感想はポジティブな感情であればあるほどいいわ。誹謗中傷などはダメよ。
そうか・・・!
Twitterを使う多くの人は「承認欲求(自己顕示欲)」がベースとなっている。
自分のことをもっと見てもらいたい、自分のツイートに反応してほしい、そういう思いでつぶやいている人は多い・・・。
そう。みんなが自分のコンテンツに興味を持ってもらえると嬉しいの。
まさに、「マズローの欲求五段階説」のピラミッドにおける「所属と愛の欲求」と「承認欲求」ですね・・・!
そうよ。
相手の欲求を叶えてあげることで、相手はこちらに好意を抱くわ。
そうなれば、「返報性の原理」が生まれてくる。
相手のコンテンツを紹介すればするほど、こちらのコンテンツを紹介してくれる人も増える、ということなの。
「返報性の原理」とは、人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければと思う心理のことである。
多くの人は、特定のコミュニティの中で自分だけが得をすると、居心地の悪さを感じ、自分が受けた恩を他の人にも返したいと思うのである。
こうやって考えると、「やみくもにフォローしてフォロワーを増やす」ということがいかに馬鹿げてるかってわかるわよね。
自分が興味を持てない相手もフォローしてしまうからですね・・・!
そう。自分が興味を持てない相手には、絡んでいきづらいわよね。
あとは、フォローしている人が多すぎると、誰とコミュニケーションをとったのかが覚えられなくなり、結局、濃いコミュニケーションがとれなくなる。
な、なるほど・・・!
だから、フォロワーの「数」ってあまり重要じゃないの。
・・・!
僕が先日インターンに行っていたマーケティング会社では、「Twitterを使うなら、とにかくフォロワーの数を増やせ!」という方針でした。
でも、今教えていただいた方針は、まるで逆だ・・・!
ふふふ、そうね。
で、でも、今のヴェロニカさんの話を聞いて、私、すごく納得しました!
Twitterの世界も私たちが生きている現実社会と同じなんですね。
よく考えればわかることなのに、なんで今まで意識できなかったんだろう・・・。
それはね・・・。
!!?
はああああああああああああああ・・・!!
へっ!!?
ボ、ボーン!?
うわわわわわわわ!!!
ボーンのおっさん、また何かの技をする気だぜっ!!
うわああああああああ!!!!!!
・・・って、本を取り出しただけじゃねーか!!
・・・お前たち、この本を知っているか?
この本・・・!?
D・カーネギーの「人を動かす」・・・?
「人を動かす」・・・!
吉田くん!?知ってるの!?
し、知ってるもなにも、自己啓発本の世界的ベストセラーですよ。
・・・といってもまだ僕はじっくり読んだことがないんですが・・・。
世界的ベストセラー!?
「人を動かす」。
1936年に初版が発行され、瞬く間にベストセラーとなった、自己啓発本の原点ともいわれる名著。
全世界で累計1,500万部を売上げ、今も売れ続けているわ。
この書籍には、「人に好かれる方法」や「人に行動してもらう方法」など、対人コミュニケーションに関する様々なノウハウが書かれているの。
コミュニケーションに関するノウハウ・・・!?
お前たちは一度、この本を読んだほうが良い。
そうすれば、さっきのヴェロニカの話がさらに理解できるだろう。
そうね。この本に書かれている「人に好かれる6原則」は特に重要だから。
「人に好かれる6原則」・・・!?
これがその6原則よ。
人に好かれる6原則
- 誠実な関心を寄せる
- 笑顔で接する
- 名前は、当人にとって、もっとも心地よい、もっとも大切な響きを持つ言葉であることを忘れない
- 聞き手にまわる
- 相手の関心を見抜いて話題にする
- 重要感を与える。誠意を込めて
誠実な関心を寄せる・・・。
これ、さっきヴェロニカさんが言ってたことと同じだ・・・。
聞き手に回る・・・!
この6つの原則が大事なんですね・・・。
とにかく一度この本を読んでみるんだな。
・・・あ、そ、そういえば!
ボーンさん!
なぜ、今回、Twitterアカウントの運用を強化しようとしているんですか!?
ソーシャルメディアはたくさんあるのに・・・。
まだ答えを言ってなかったな。
それは、Twitterの「拡散力」が他のソーシャルメディアに比べて高いからだ。
拡散力!?
ヴェロニカ、解説を頼む。
OK、ボーン。
●なぜ、Twitterアカウントの運用を強化するほうが良いのか?
まずは、TwitterとFacebookの拡散力の違いについて話すわね。
現在、世界的に見たときに、Twitterのユーザー数はFacebookより少ないといわれているわ。
ただ、これはあくまでも世界の話であって、日本の場合は、TwitterとFacebookのユーザー数に大きな開きはないの。
むしろ、日本では、Twitterのほうが影響力が高いといえるわ。
その理由を話すわね
TwitterとFacebookの最大の違いは、「匿名制」か「実名制」かということ。
考えればわかることだけど、実名制のサービスは、コンテンツをシェアする側にある種の「心理障壁」が存在する。
実名制の場合、自分が所属しているコミュニティの中で立場が悪くなることを恐れるから、ユーザーが何かのコンテンツをシェアする際には、「こんな記事をシェアして、周りの知人から変な目でみられないだろうか・・・」という防衛本能が働きやすいの。
その点、Twitterは、匿名で使ってもいいわけだから、素性を隠した上で、自分のシェアしたいコンテンツをシェアするユーザーが多かったりする。
以前、吉田くんも話していたけれど、日本人には「祭りの心理」というものがあるの。
「流行っているものには乗っかっておきたい」「流行にはついていきたい」という心理。
その心理とTwitterの相性は抜群よ。
たとえ誰が投稿したかわからないツイートがあっても、おもしろければどんどんRT(リツイート)していく文化がTwitterにはある。
それができるのは、TwitterにはFacebookにはない“独自のゆるい雰囲気”があるから。
だから、おもしろいネタはTwitter上で加速度的に拡散されやすいのよ。
あとはSEO上で重要な外部リンク効果においても、違いがあるわ。
2020年7月現在、TwitterやFacebook上でシェアされるリンクには「rel="nofollow"」という属性が入っているため、基本的にはGoogleからは評価されないリンクになっている。
だから、TwitterやFacebookでコンテンツがどれだけシェアされても、外部リンクとしての効果はないはずなんだけど、実はTwitterの場合、「Twitter API」でつくられた外部サービスが多数存在しているから、それらの外部サービス経由でリンクが集まるの。
つまり、Twitterのサービス本体から張られたリンクにSEOの効果がなくても、Twitter APIでつくられた外部サービス経由のリンクにはSEO効果があるってことね。
そして、さらには、日本最大のソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」と連携しているユーザー数の違いよ。
TwitterもFacebookも、はてなブックマークと連携はできるんだけど、実際のところはTwitterと連携しているユーザーのほうが多いの。
はてなブックマークと連携するユーザーが多いということは、Twitterでつぶやかれる際に、はてなブックマークが増えやすいということになるわ。
はてなブックマークの数が増えれば、「人気のエントリー(ホッテントリ)」に入りやすくなり、さらに多くの人に見てもらえる可能性が増える、というわけね。
はてなブックマークの「人気のエントリー」に載るためには、Facebookで拡散されるより、Twitterで拡散されたほうが、近道であることは間違いないわね。
以上、TwitterとFacebookの拡散力の違いを解説したけれど、もちろん、TwitterとFacebook、それぞれに良い部分はあるわ。
人によっては、Twitterを使わず、Facebookばかりを使っている人もいるだろうから、そんな人たちには、Facebookで拡散しないと届かないわね。
だから、究極の理想は両方を運用することなんだけど、運用コストをかけられない場合には、Twitterの運用から始めてみることをオススメしてるの。
傾向 | マイクロブログ&SNS | SNS |
---|---|---|
アカウント名 | 匿名&実名 | 実名 |
主な利用目的 |
・情報の共有・発信 ・不特定多数とのコミュニケーション ・情報収集 |
・知人とのコミュニケーション ・情報発信 ・コミュニティの形成 |
フィードバック方法 |
・いいね ・メンション ・リプライ ・リツイート ・コメントを付けてリツイート |
・いいね! ・シェア ・コメント |
独自文化 | ハッシュタグ | ユーザーのタグ付け |
SEO効果 | Twitter APIで作られた外部サービスからの被リンクが得られる (※アンカータグにrel="nofollow"が入っていないケースに限る) |
なし |
はてなブックマークと連携しているユーザー | 多い | 少ない |
そ、そうか・・・!
そう考えると、たしかに、TwitterはFacebookなどと比べて拡散力が高いかも・・・!
・・・俺も匿名でTwitterアカウント運用してたりするからなあ・・・。
えっ?高橋くん、そうだったの!?
あ、し、しまった・・・。
高橋さん!そうだったんですか!?
せっかくだし、高橋さんのアカウントを見せてくださいよ!
えええっ!!?
い、いやいや・・・、俺のアカウントはあの・・・その・・・、マニアックなつぶやきばかりだし・・・。
あとはプライベート用のアカウントだったりするし・・・。
お前のアカウントはこれか?
ぎゃ、ぎゃー!!!!!
な、なんで俺のアカウントが!!!!!
お前の写真で画像検索したら見つかったぞ。
高橋さん・・・。
匿名なのに、アイコンの写真は自分のリアルの写真を使っているんですね・・・。
えーっと、なになに。
「空の色はいつも違う。その色はRGBでは表すことのできない複雑かつ繊細なブルー。一人一人の目に映るブルーは違う。俺は自分のブルーを追いかけていきたい。ブルースカイ」
・・・ブルースカイ。
・・・。
とってもポエムなアカウントですね・・・。
はい・・・。
つまり、この高橋くんのケースを見ても、世の中には「匿名」だからこそ、何かを発信したいというユーザーは多いのよ。
なるほど・・・。
よし、話を戻すぞ。
ひとまず、Twitterアカウントの運用を強化する。
めぐみと吉田、お前たちふたりは、Twitterアカウントを新規でつくれ。
えっ!?
新しく作るんですか?
そうだ。
今のマツオカのアカウントとは別に、お前たちふたりの人間味あふれるアカウントをつくるんだ。
あ、あの・・・。
僕とめぐみさん、二つのアカウントを作る理由って何でしょう・・・?
どちらか一方でもいいのでは・・・?
アカウントが二つあることにより「対話」が生まれる。
対話の仕方にもよるが、お前たちふたりが対話をすることにより、外野から見たときに「絡んでも良い空気」が生まれてくる。
そうなれば、第三者が絡みやすくなる。
な、なるほど・・・!
確かに誰とも会話していないTwitterアカウントって絡みにくいですものね。
会話できる相手を最初から用意しておく、ってことか・・・。
Twitter運用のアドバイスは、ヴェロニカがチャットワークを通しておこなう。
よろしくね。
がんばります!
最初の1ヶ月目は、周りとのコミュニケーションを「7割」、自分のつぶやきは「3割」で考えろ。
そして、自分たちの存在が認知され始めた2ヶ月目は、周りとのコミュニケーションを「6割」、自分のつぶやきを「4割」で運用してみろ。
はいっ!!
あの・・・俺は・・・?
お前にはやってもらいたいことが別にある。
俺にやってもらいたいこと・・・?
露出起点を強化しても、今のマツオカのWebコンテンツの力ではバズボンバーに勝てない。
だから、Webコンテンツ自体をレベルアップさせる。
えっ・・・。
バズボンバーに勝てない・・・って、な、なんでだよ?
マツオカのWebコンテンツは、そのコンテンツの魅力をユーザーに伝えるための「表現力」が弱いからだ。
表現力・・・!?
そうだ。
どんなコンテンツも表現の仕方によって、拡散されやすさが変わってくる。
・・・!?
例えば、バズボンバーのコンテンツはただおもしろいだけではないわ。
彼らのコンテンツには、表現の流儀があるの。
表現の・・・流儀・・・?
その流儀とは何なのかを学んでこい。
えっ・・・!?
ま、学ぶって・・・?
これを見ろ。
・・・!!?
こ、これは・・・!!
これって・・・バズボンバーのインターン募集ページじゃないか・・・。
まさか・・・。
高橋、バズボンバーへインターンに行ってこい。
・・・え?
えええええええーっ!!!?
フハハハハハハ!!!
ボーンめ、勝ち目がないとわかり、マツオカのブログの更新をたった2記事で止めてしまったようだな!
ふふふ、これだけの圧倒的な差を見せつけられては、モチベーションが下がって当然でしょう。
フフフ、さすがバズボンバー。
お前たちにコンテンツ制作を任せた甲斐があったわ!
ういーっす。
遠藤さんにそう言ってもらえると、純粋に嬉しいっすね。
この勢いで、もっとコンテンツを投下しろ。
バズるコンテンツをもっと、もっとだ!
ま、頑張ってみますよ。
ところで遠藤さん、今回の俺たちのコンテンツの気に入ったところってどこでした?
気に入ったところ?
フフフ、すまんな、まだお前たちのコンテンツに目を通していないのだ。
また後ほど見ておくとしよう。
そうなんすね。
じゃあ、また感想待ってまッス。
(・・・遠藤さん、あんた、いつか足元すくわれるぜ。
コンテンツ愛の無いヤツが、コンテンツマーケティングを語っちゃあダメだ。
見せかけだけのコンテンツ愛は、ユーザーにいつか丸裸にされる)
(ま、俺たちからすりゃ、自分らが楽しければいいんだけどな。クックック。)
ふ~い、おつかれ、おつかれ~。
あ、伊藤さん、おかえりなさいでしゅ!
先方の反応はいかがでございましたか?
ふっ、遠藤さんはいつも以上にご機嫌だったぜ。
それよりどうだ?
いいインターンは来たか?
うーん、どいつもこいつもイマイチでしゅねえ。
嗚呼、我らの美意識を理解できる良質な人材にはなかなか出会えないものです。
どれどれ、これが応募者リストか・・・。
(・・・!)
こいつ・・・面白そうだな。
・・・?
あれれれれれれれ、こいつって、遠藤さんがつぶせと言っていた会社の人間じゃないでしゅか!?
ふふふ・・・こりゃあおもしろいぜ。
田中、こいつを雇いな。
えっ?
マツオカのWebデザイナーね・・・。
・・・なるほど、なるほど・・・。
ええええええええええ!!?
本当にバズボンバーにインターンに行くことになったんですか!!?
そうみたいなんだ・・・。
書類選考にパスしたから、できるだけ早く来てくれと。
なぜか、面接すらなく、採用が決まった・・・。
い、いつから行くの?
来週の月曜には行くことになります・・・。
来週の月曜日・・・。
確か、インターン期間は二ヶ月だったから、二ヶ月の間はうちのサイトの更新は止まりがちになるわね。
・・・仕方ないわ、ちょうどシーズン的にもサイトの更新が少ない時期だし。
高橋くん、頑張ってきてね!
お、俺・・・、正直、超不安なんですけど・・・。
彼らのテンションについてゆけるんでしょうか・・・。
外から見るバズボンバーと、中から見るバズボンバーは違うかもしれないぞ。
な・・・なるほど・・・。
あっ!高橋さん!
な、何だよ?
あの・・・バズボンバーのサインをもらってきていただいてもいいですか?
はああああ!?
あ・・・、いえ、実は個人的にバズボンバーのファンなもので・・・。
・・・。
よし、高橋が帰ってくる二ヶ月後まで、めぐみと吉田はTwitterの運用に全力を注ぎ込め。
はいっ!!
・・・俺・・・本当に大丈夫かな・・・。
いらっしゃい。
レッドアイ、ノンアルで。
かしこまりました。
久々だな、ヴェロニカさん。
久々ね、伊藤君。
・・・それにしても、ビックリしたぜ。
まさか、マツオカのWebデザイナーがうちのインターンに応募してくるなんてな。
ウフフ。
募集要項に「ライバル社NG」なんて書いてなかったけど?
ハッハッハ、こいつは一本とられたね。
フフフ。
で、どう?
うちの高橋くんは?
うーん、どうだかねえ。
ま、今頃、うちの田中と山本に鍛えられているだろうよ。
むしゅしゅしゅしゅしゅしゅ!!!
なんで君の作るコンテンツはこんなにときめかないのでしゅか!?
嗚呼、ダサい、ダサイ。
あなたのコンテンツは、カッコつけようとして垢抜けない田舎の学生のようです。
ひ・・・ひえええええええ・・・!!
あなたはもっとクリエイティブに触れるべきです。
そうだ、日本最高のクリエイティブである「漫画」をもっと読みなさい。
ま・・・ままままままんが・・・!!
ままままままんが!ではありますぇんよ!!
ほら、うちの本棚にある漫画を明朝までに読破しておきなすゎい!
むしゅしゅしゅ。
山本氏、この高橋くん、人間的にも相当おもしろくないと思われますが、いかがでしゅか?
嗚呼、そういえばそうですね。
コンテンツとは作り手の“人間力”と比例するもの。
世の中の理を理解していない今の高橋くんがおもしろいコンテンツを作れるとは到底思えません。
そうですね、夜の蝶たちにでも鍛えてもらいますか。
よ、夜の蝶たち・・・!?
さあ、もうそのつまらないコンテンツは置いといて、私たちと一緒に夜の歌舞伎町へ出かけるでしゅよ!
か、歌舞伎町!!?
そうそう、ヴェロニカさん。
遠藤さんは本気だぜ。
本気であんたたちをつぶそうとしてる。
あら、そう。
フッ、あんたたちと遠藤さんの間に何があったかは知らねえけど、ガイル社くらいでかい会社を敵に回すとヤベーんじゃねーの?
ご心配ありがとう。
フッ、昔一緒に仕事をさせてもらった恩からのアドバイスといっちゃあなんだが、一応忠告しておいたぜ。
伊藤君、優しいのね。
フッ、俺はいつだって惚れた女性には優しいのさ。
じゃあな。
めぐみさん、今日ってたしか、高橋さんがバズボンバーのインターンから戻ってくる日ですよね。
あっ、そうね!
高橋くん、何かすごいノウハウを得て戻ってくるのかなあ。
僕たちのTwitter運用も軌道に乗り始めましたし、あとはパワーアップした高橋さんが加わるだけですね!
うん!
なんだかワクワクしてきたわ。
高橋、ただ今戻りました。
・・・!!!!?
た、高橋さん・・・ですか!?
ああ、高橋だ。
た、高橋さん、何があったんですか・・・!!?
高橋くん、なんだか・・・ワイルドになったわね・・・。
そうですか?
ああ、最近、“メジャー感”を意識した人生を送ろうと思いまして。
メ・・・メジャー感・・・!?
た、高橋くんはバズボンバーでどんなことをしてたの・・・?
うーん、そうですねー。
漫画を読んだり、夜の蝶とたわむれたり、行きつけになったゲイバーのマスターのススメで、週1で店に立ってみたり。
あ、もちろん、仕事もがんばってましたよ。
え・・・。
わ・・・わけがわからない・・・。
あら、高橋くんじゃない。
あ!ヴェロニカさん!
高橋、ただ今無事に戻りました。
良い感じね。
一皮も二皮も剥けた感じがするわ。
二ヶ月前とは別人のようね。
・・・どうやら、得るものはあったようだな。
ボーンのおっさん!
バズボンバーでの経験はとても貴重なものだったぜ。
バズボンバーの表現力の秘訣がわかった?
はい。
その秘訣とはなんだ?
「メジャー感」を意識することです。
メジャー感!?
そ、それって何ですか?
よし、いっちょ説明してやっか。
●メジャー感とは?
メジャー感というのは、芸能の世界でよく使われる言葉で、「それだよ、それ!」という「王道で売れそうな感じ」を指す。
人はコンテンツに触れた際、自分の過去の体験を頼りに「このコンテンツは期待して良いのか?」という判断を無意識的におこなってしまう。
たとえば、そのコンテンツが、自分が昔読んで「おもしろい」と感じた漫画に似ていたり、当時話題になっていたCMやドラマに似ていたり、自分の中にある「プロと認められるクオリティ」のラインをクリアしていたりすると、そのコンテンツへの期待度は高まり、読もうという気持ちになる。
このメジャー感は様々な要素で表現できる。たとえば、写真の撮影の仕方、イラストのクオリティ、デザインのセンス、文章の書き方などでメジャー感は表現される。
俺がバズボンバーで漫画を読まされていたのは、このメジャー感の引き出しを増やすためだったんだ。
なぜなら、漫画やアニメは究極の娯楽の一つだからだ。
漫画を読まずに育った人はほとんどいない。
「漫画の定番の表現」を知ることは、メジャー感を培う上で最短の方法だったんだ。
それに気付いてから、俺はバズボンバーの過去のコンテンツを見返してみた。
すると、彼らのコンテンツには常にメジャー感を意識した演出が施されていたんだ。
タイトル、デザイン、文章、すべてにメジャー感を感じさせる演出があった。
彼らのコンテンツはマニアックなだけじゃない。それらの演出が、彼らのユニークなコンテンツに王道っぽさをプラスし、多くの人に届きやすくしていた、というわけさ。
メジャー感・・・!
すごく深い言葉ですね・・・!
確かに、バズボンバーのコンテンツは、一目見ただけで、なんだかおもしろそうな感じがする。
もちろん、内容もおもしろいんだけど、内容を見る前に「おもしろそう」って思っちゃう。
その正体がメジャー感だったのね・・・!
はい。
王道を理解した上でユニークな表現をするからこそ、読者をわくわくされることができます。
王道を理解せずにユニークなことをしても、一部の人に受けるかどうかすらわからない、ただのマニアックなコンテンツになってしまいます。
なるほど・・・!
・・・多くのアマチュアクリエイターには耳が痛い言葉かもしれませんね・・・。
ははは。俺も正直耳が痛いけどな。
あと、メジャー感は、コンテンツそのものではなく、コンテンツの「話者」でも表現できる。
話者・・・!?
たとえば、前回のマツオカのブログ記事をマツコ・デラックスさんが書いたとしたら、どう思いますか?
えっ!?マ、マツコ・デラックスさんが・・・!?
び、びっくりするけど、すごく読んでみたいって思うわ。
なぜ、読みたいって思ったんですか?
えっ、だって、マツコ・デラックスさんの書いた記事でしょ?
面白いに違いないわ。
それです!
めぐみさんはマツコ・デラックスさんが出演した過去のテレビ番組などを見ていて、「マツコ・デラックスさんの生み出すコンテンツはおもしろい」ということを体験として記憶していたんです。
そして、それはめぐみさんの中でのメジャー感の一つの判断指標となっている。だから、読みたいって思ったんです。
な、なるほど・・・!
こんな言葉があります。
コンテンツは「何を書くかではなく、誰が書くか」。
コンテンツはその話者によっても、伝わり方が変わってくるんです。
何を書くかでなく、誰が書くか・・・。
無名の人が書いたコンテンツよりも、その分野の著名人が書いたコンテンツのほうが受け入れられるのは、メジャー感の違いだったんですね・・・!
そうだ。
そして、メジャー感の強いコンテンツは、シェアされた際に多くの人の関心になりやすいから、シェアしたいと思う人も増える。
シェアする側の共感願望を叶えてくれやすいんだ。
これは、ボーンのおっさんが教えてくれた“社会的認知度”の考え方と似ているな。
ついにバイラルコンテンツの真理に辿りついたようだな。
へへへ・・・。
マツオカのコンテンツに足りなかったのは、メジャー感だったのか・・・!
ようやく理解できました・・・!
そうさ。
だから、メジャー感を加えるにはどうすれば良いかを考えていくのさ。
ちょっといいかしら?
あ、はい。
メジャー感を意識するのは大切だけど、それに囚われすぎて、「オワコン感」が出ないように気をつけてね。
オワコン感・・・!?
オワコン・・・終わったコンテンツ。
時代に飽きられてしまったコンテンツの匂いを出さないように気をつけろ、というわけですね。
そうよ。
「メジャー感」と「オワコン感」は紙一重。
メジャー感を意識する際には必ず、今のトレンドも意識しておくことが大切よ。
よし。
高橋が戻り、めぐみと吉田のTwitterアカウントも育ち始めた。
反撃に向け、マツオカのコンテンツ戦略を練り直すフェイズにきたな。
今度は少し違う視点でコンテンツを考えられそうです!
露出経路には僕とめぐみさんのTwitterアカウントがありますし、次こそは拡散を成功させてみます・・・!
コンテンツの企画演出は俺にまかせろ!
よし、反撃開始だ。
はいっ!!!
フフフ・・・。
そうか・・・、そうだったのか・・・!
遠藤社長、どうなさいました?
フフフ、井上よ。
我が社にはリサーチを専門としている子会社があるのを知っているか?
ガイルリサーチ社でございますか?
そうだ。
実はガイルリサーチ社に「ある人物」に関する調査を依頼していた。
依頼・・・?
この調査結果を見ろ。
・・・!!
こっ・・・これはっ・・・!!
フフフ・・・ハーッハッハッハッハ!!!
運命とは数奇なものだな。
なあ、ボーン・片桐ッ!!
Twitterのアカウント運用の極意を得ためぐみと吉田。
そして、バズボンバーでのインターンにてコンテンツの表現力を鍛えられた高橋。
彼らが繰り出す新しいコンテンツマーケティング戦略は、ガイル社の牙城を崩せるのか!?
そして、不気味に笑う遠藤がつかんだボーンの秘密とは・・・!?
次回、沈黙のWebマーケティング第八話、
ギガバイトに隠された闇「G戦場のレンタルサーバー」
今夜も俺のインデックスが加速する・・・!