503エラーを防ぐ!Web屋が知っておくべき503エラーの原因と対処
(この記事は2022年9月29日に更新されました)
こんにちは。
京都のWebプランニング会社「ウェブライダー」の松尾です。
某社のレンタルサーバーからCPIのサーバーに乗り換えたことがきっかけで、このコラムを書かせていただく機会を得ました。
現在、ウェブライダーでは、CPIの専用サーバーと共用サーバーのふたつを借り、さまざまなWebサイトを運営しています。
さて、このコラムでは、Web集客を成功させるためのレンタルサーバーの選び方について、いろいろな視点からお話ししていきます。
今回は、Webサイトにアクセスが殺到した際、ページが見られなくなる「503エラー」についてのお話です。
あなたはどこかのWebサイトを見ようとした際、「503 Service Unavailable」「Service Temporarily Unavailable」などのエラーメッセージが表示されているのを見たことはありませんか?
たとえば、TV番組で取り上げられたWebサイトを見に行ったら、上記のようなエラーメッセージが表示されて、見られずに困ったという経験はありませんか?
このメッセージは「503エラー」と呼ばれ、レンタルサーバーから返されるHTTPステータスコードのひとつ。
「サーバーへの同時アクセス数の制限を超えているため、訪問者の閲覧を制限している」という状態を指しています。
つまり、このメッセージが表示されている間は、訪問者は一時的にサイトが閲覧できません。
たとえば、もし、あなたがブログを運営しているのなら、そのブログの記事は表示されませんし、ネットショップを運営しているのであれば、商品のページも表示されません。
すなわち、あなたのビジネスチャンスが大きく失われている状態が「503エラー」なのです・・・!
実は今、503エラーが表示されるWebサイトが増えています。
なぜなら、今の時代、TwitterやFacebookなどを通し、ひとつのWebサイトに瞬間的にたくさんの人が見に来るようになったからです。
それはつまり、レンタルサーバーが想定している限界値を超えたアクセスが、いつ何時やって来るかわからないということです。
では、この503エラーを回避するにはどうすればいいのでしょうか?
そのカギは、実は にありました。
今回は、503エラーに関する基礎知識をお教えした上で、503エラーが表示される回数を減らし、あなたのWebサイトの機会損失を減らすためのノウハウをお教えします。
それではまいります。
●このページの目次
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1、そのサイト、集客に失敗しているのは「503エラー」が原因かも・・・。
先ほどお話したように、503エラーのメッセージが表示されている間は、訪問者は一時的にサイトが閲覧できません。
サイトが閲覧できなくなることによって、以下のようなデメリットが発生します。
- Webサイトの内容が見られないため、「このサイトは閉鎖されたんだ」と誤解される
- Webサイトの内容が見られないため、TwitterやFacebookでシェアしてもらえなくなる
- ECサイトの場合、そのサイトで買い物ができなくなる
- ECサイトの場合、買い物の途中だったお客さまが買い物を完了できなくなる
たとえば、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアであなたのサイトが話題になった際、この503エラーが出てしまっていると、せっかくアクセスしてくれた人たちをガッカリさせるだけでなく、シェアされる数も減ってしまいます。
また、あなたのサイトがテレビ番組などで取り上げられ、たくさんの視聴者があなたのサイトに殺到したとしても、このエラーが出てしまっては、テレビによる集客効果も活かしきれません。
今のネットユーザーの多くは総じてせっかちです。
あなたのWebサイトが表示されないのなら、「だったら、他のサイトを見に行くよ」ということで、すぐによそへ行ってしまいます。
そして、よそへ行ったユーザーは、二度とあなたのサイトを訪れてくれない場合もあるのです。
あなたにとっては「たった一瞬表示されなかっただけじゃないか・・・」と思うかもしれませんが、その気の緩みが、Webサイトの集客の失敗へとつながります。
503エラーを表示しないWebサイト運営こそが、集客を成功させるために重要なんです。
では続いて、この503エラーが発生する理由を、技術的な面から見ていきます。
2、「503エラー」はなぜ発生するの?その原因はふたつあった!
503エラーが出る理由には以下のふたつがあります。
- Webサイトへ“瞬間的”にたくさんの人がアクセスしている
- Webサイトの構造上、読み込み終了までに時間がかかり、その結果、“入場制限”の人がたくさん発生している、いわば“渋滞”の状態
まず「1」について説明しますね。
一般的なレンタルサーバーでは、Webサイトに瞬間的にアクセスできる人の数を制限しています。
これを「同時アクセス数の制限」といいます。
たとえば、共用のレンタルサーバーの場合、ひとつのサーバーの中にいろいろなお客さまのWebサイトが入っています。
その状況で、一部のお客さまのサイトがものすごくアクセスを集めてしまうと、ほかのお客さまのWebサイトの表示に影響が出てしまいます。
よって、そうならないように、各サーバー会社は同時アクセスの限界値を設けることで、サーバーを安定させようとしているのです。
別の言葉でいえば「入場制限」ですね。
もし、同時アクセスの限界値を超えてしまうと、その限界値を越えた人たちにはWebサイトが表示されなくなります。
(※ちなみに、私はCPIの共用サーバーを使っていますが、同時アクセス数の制限が、他社サーバーに比べてとてもゆるいと感じています。
つまり、503エラーが出にくいということです。
CPIのレンタルサーバーは他社と比べると少し高めの値段設定ですが、その分、サーバーにゆとりがあります。
それが、ウェブライダーがCPIの共用サーバーを使い続けている理由のひとつです。
失った時間(機会)は二度と戻りませんので、機会損失を防ぐことを考えると、月1,000円程度の出費の上乗せは痛くないと考えています。(あくまでも個人の見解です))
またこの入場制限には、Webサイトの読み込み時間も関係しています。
同時アクセス数とはあくまでも、“サイトのデータが読み込まれるまでのアクセス”のこと。
一旦、サイトが表示されれば、基本的にはサーバーからデータの送信はおこなわれませんので、読み込みが終わった訪問者の数は同時アクセス数に影響しません。
(※但し、その訪問者がサイト内の別のページに移動した際には、またデータの送信がおこなわれますので、同時アクセス数に影響します)
ただし、Webサイトの構造が原因で、読み込み完了までに時間がかかってしまうと、入場制限の人がたくさん発生する、いわゆる“渋滞”の状況に陥ってしまうんです。
たとえば、高速道路の料金所をイメージしてみてください。
Webサイトの構造がしっかり整備されていて、データの読み込み完了までに時間がかからないサイトを無人の「ETC」。
Webサイトの構造が整備されておらず、データの読み込み完了までに時間がかかるサイトを「有人の料金所」だと考えます。
前者の「ETC」は渋滞が起きにくいですが、後者の「有人の料金所」は渋滞が起こりやすいですよね。
実は、Webサイトは、そのサイトの構造によって、「有人の料金所タイプ」(データの読み込みがなかなか終わらないサイト)に分かれてしまうのです。
と「有人の料金所タイプ」のサイトには、1回のアクセスでたくさんのファイルやプログラムを呼び出してしまうサイトや、データベースへ頻繁にアクセスするサイトなどが該当します。
有名どころでいえば、人気のブログシステム(CMS)である「WordPress」で作られた“動的なサイト”がそれに該当します。
WordPressというCMSは、訪問者のアクセスに応じて毎回データベースにアクセスし、ページを動的に生成する仕組みを採用しているからです。
もちろん、WordPressに限らず、ページが動的に生成されるサイトはどれも503エラーが出やすいです。
そのような「有人の料金所タイプ」のサイトが「ETCタイプ」に変わるためには、「キャッシュ」と呼ばれる技術を使って、データベースへの接続回数を減らす方法があります。
たとえば、WordPressで作られたサイトの場合は、「WP Super Cache」などのキャッシュ用のプラグインを入れ、静的なページを生成しておくことで、503エラーの表示を減らすことができます。
そのほか、Webサイト内で使われている画像ファイルの数を減らしたり、画像ファイルの容量を小さくしたりして、データの読み込み時間自体を減らすことも有効です。
503エラーは、サーバーが落ちたということではない!
たまに、503エラーを目にした際、「サーバーが落ちた!」「サーバーに障害が起きた!」と言う方がいらっしゃいます。
ここまでお読みいただいた方はわかると思いますが、この503エラーはサーバーが落ちたから出るのではありません。
「同時アクセス数を超えたから、しばらくは他の人がアクセスできないようにするね」というサーバー側の自己防衛システムなのです。
だから、503エラーが出ているときは、あくまでもサーバーは正常に動いています。
ここまで、503エラーが出る仕組みについてカンタンに説明してきましたが、では、503エラーが出にくいサーバーを選ぶ方法はあるのでしょうか?
ここからは、レンタルサーバー会社がなかなか表に出さない、503エラーの本当の話についてお話しします。
安い共用サーバーだと503エラーが出やすいかもしれない理由
一般的に、503エラーが起きやすいサーバーは「共用サーバー」です。
レンタルサーバーには「共用サーバー」と「専用サーバー」というプランがありますが、月々500円や、月々2,000円といった価格帯のサーバーは「共用サーバー」にあたります。
この共用サーバーは、「1台のサーバーを複数のお客さまで利用することで、お客さまひとりあたりの費用を下げよう」という考えから生まれたサーバーです。
一般の人たちが気軽にサイトを立ち上げられるよう、「手軽に使える安いサーバーがあったらいいよね」というコンセプトで設計されています。
その昔、共用サーバーは大きなアクセスを集めるサイトで使われることを想定されていませんでした。
それもそのはず、一般の人が月に数十万、数百万といった大きなアクセスを集められるサイトなんて、なかなかカンタンには作れなかったからです。
しかし、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアの登場が、事態を大きく変化させます。
TwitterやFacebookなどを通して、どんな小さなサイトでも、瞬間的にドバーッとアクセスがやってくる時代が到来したからです。
Twitterで多くのフォロワーを抱える有名人が、あるWebサイトのURLを何気なくシェアしただけで、あれよあれよという間に1,000を超える瞬間的なアクセスがやって来る・・・というケースもよく見かけるようになりました。
さあ、これは大変です。
なぜなら、共用サーバーは元々、それだけの瞬間的なアクセスをさばけるように設計されていません。
共用サーバーの場合、1台のサーバーの中に複数のお客さまがいるわけですから、ひとりのお客さまのWebサイトが大きなアクセスを集めてしまうと、ほかのお客さまのWebサイトに影響が出てしまいます。
そのため、共用サーバーを提供しているレンタルサーバー各社はこう考えました。
「同時アクセス数に厳しい制限をつけなきゃダメだな・・・」と
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3、“安いだけ”の共用サーバーほど、危ないかもしれない理由
先ほど、共用サーバーとは「1台のサーバーを複数のお客さまで利用することで、ひとりあたりのコストを下げるサーバー」だと説明しました。
ここからはレンタルサーバー会社のビジネスの話になるのですが、レンタルサーバー会社が利益を上げる最もシンプルな方法は、1台のサーバーの中にできるだけ多くのお客さまを入れることです。
そうすれば、1台のサーバーから得られる利益が増えるからです。
お客さまの数が多い場合は、ひとりあたりの利用料を下げても、利益がしっかり残ります。
だから、サーバー会社によっては、ひとりあたりの利用料を下げるために、1台の共用サーバーの中にたくさんのお客さまを割当てている場合があります。
ただ、その場合、ひとりのお客さまがつくったWebサイトによって、ほかのお客さまが影響を受けるリスクがどうしても高まってしまいます。
よって、1台のサーバーの中にたくさんのお客さまが割当てられている共用サーバーほど、同時アクセス数の制限を強めざるをえない可能性が高まるわけです。
たったひとりのお客さまのために、ほかのお客さまが迷惑を被ると、サーバー会社としての信頼を落としてしまいますものね。
・・・とはいえ、アクセスを制限された当人にとってはうれしくはないですよね。
せっかく自分ががんばってWebサイトに集客したとしても、サーバー会社側の都合で、その集客を制限されてしまうからです。
「安物買いの銭失い」にならないように。失ったチャンスは二度と手に入らない。
「安物買いの銭失い」という言葉があります。
これは「値段の安いものばかりに気がとられていると、大切なチャンスを逃してしまう」というたとえです。
これをサーバー選びに当てはめると、費用が安いからといって、安さだけが強みの共用サーバーばかりを借りていると、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまうリスクが増えていきます。
安いサーバーが必ずしも悪いわけではありません。
テスト的にサイトを立ち上げたり、アクセスがほとんど来ないような趣味程度のサイトであれば、問題ないでしょう。
しかし、本気のビジネスを考えた際には、個人的にはやはり心許ないといわざるをえません。
(※ただし、安いサーバーの中には、安さからは考えられないくらいスペックの高いサーバーがあるかもしれません。ここでお話しているのは、あくまでも安さだけが強みのサーバーについてです)
4、503エラーが発生していることに気付かないケースも多い!
あなたが機会損失に“気付けない理由”
この記事をお読みの方の中には、「自分のサイトで503エラーが表示されたことを見たことがない」という方もおられるかもしれません。
ただ、それはもしかすると、「見たことがない」のではなく、「気付いていないだけ」かもしれません。
というのも、通常、503エラーは、アクセスを瞬間的に集めている時に表示されるものだからです。
そのため、503エラーが出ていたとしても、そのタイミングでWebサイトにアクセスして目視で確認する必要があり、そのタイミングでサイトを見られないサイトオーナーはエラーに気付かないのです。
「えっ?うちはアクセス解析を入れてるけど・・・」という方もいらっしゃると思います。
ですが、残念ながら、アクセス急増による503エラーは、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールでは記録されません。
なぜなら、503エラーが出ている状態とは、Webサイトが読み込まれる前に、サーバー側がWebサイトの読み込みをストップさせている状態です。
つまり、「Webサイトが表示されない=読み込まれない」ということは、当然のことながら、そのWebサイトに埋め込まれているGoogle Analyticsなどのアクセス解析のコードも読み込まれず、正常なアクセス数がカウントされない、ということなのです。
つまり、実際はTwitterやFacebookなどからのアクセスがたくさんあっても、それらのアクセスのうち、503エラーが出ていたタイミングでのアクセスは記録されないということです・・・。
(但し、サーバーのアクセスログを確認すれば分かる場合があります)
私の会社の事例で恐縮ですが、私が代表を務めるウェブライダーでは「渡辺さん」というTwitterアカウントを運用しており、このアカウントにはフォロワーが16万人ほどいます。
渡辺さんのTwitterアカウントはかなり影響力をもっており、この渡辺さんが何かのWebサイトをシェアすると、たくさんの人がそのWebサイトへアクセスします。
そのアクセス数は、Google Analyticsのリアルタイムアクセスで1,000を超えることも・・・。
そのため、渡辺さんがWebサイトのURLをつぶやく際は、そのWebサイトに「503エラー」が表示されないかをとても気にします。
ぶっちゃけなところ、過去、渡辺さんがうっかりWebサイトを紹介したことで、503エラーが表示され続けてしまったサイトはいくつもありました・・・。
(紹介してしまったWebサイトのオーナーさま、本当に申し訳ございません・・・)
渡辺さんには悪意はなく、ただの好意でコンテンツを紹介しただけなのに、紹介されたサイトが503エラーの被害に遭うという恐ろしい流れ・・・。
そんな不運なトラブルをなくすためにも、多くのサイトオーナーは503エラーに対して、もっと注意を向けたほうがよいのではと考えています。
Yahoo!ニュースで取り上げられるその日に備えよう!
あなたのサイトはYahoo!ニュースで取り上げられたことはありますか?
Yahoo!ニュースからのアクセスは、先ほど紹介した渡辺さんの影響力を優に超えます。
リアルタイムアクセスが2,000以上になることも多々あります。
ただ、Yahoo!ニュースで紹介される際は、事前連絡も事後連絡もありません。
ある日突然、膨大なアクセスが流れ込んでくるのが、Yahoo!ニュースです。
もし、Yahoo!ニュースで紹介された際に、503エラーが出なければ、そのアクセスに対していろいろなマーケティングが仕掛けられることでしょう。
しかし、503エラーが出てしまうと、せっかくのアクセスをうまく活かせません。
そう考えると、503エラーって本当に厄介なものですね。
503エラーが出る理由と、その弊害についてご理解いただけましたでしょうか?
では、ここからはいよいよ、503エラーを減らすための方法をお教えします!
5、503エラーの発生を防ぐための3つの方法
ここからは503エラーを防ぐための方法をお教えします。
その前に、もう一度だけ、503エラーが発生する理由をおさらいしておきましょう。
●503エラーが出る2つの理由
- Webサイトへ“瞬間的”にたくさんの人がアクセスしている
- Webサイトの構造上、読み込み終了までに時間がかかり、その結果、“入場制限”の人がたくさん発生している、いわば“渋滞”の状態
この理由を踏まえれば、503エラーを防ぐには下記の3つの対策があることが分かってきます。
●503エラーを防ぐための3つの対策
- 安さだけを強みにしている共用サーバーを選ばない
- 共用サーバーではなく「専用サーバー」を検討する
- 「キャッシュ」の技術を用いたり、画像のファイル数を減らしたりして、データの読み込み速度を改善する
●対策1
安さだけを強みにしている共用サーバーを選ばない
503エラーを防ぐ最も手っ取り早い方法は、
理由はすでにお分かりですよね。
安い共用サーバーには多くのユーザーが同居しており、同時アクセス数の制限がキツメに設定されている可能性があるからです。
ウェブライダーではWeb集客に関する仕事をおこなっているため、お客さまのWebサイトで503エラーが出ることは死活問題です。
そのため、よっぽどの事情がない限り、安さだけを強みにしているような共用サーバーは利用しません。
ウェブライダーではこのあとご紹介する「専用サーバー」を利用することが多くあります。
これは、専用サーバーであれば、一台のサーバーを丸ごと占有できるため、ほかのユーザーのサイトのアクセスに影響されないからです。
とはいえ、専用サーバーは共用サーバーよりもコストがかかります。
一般的には共用サーバーと比較し、10倍くらい金額が違います。
そのため、もし「コスト的にいきなり専用サーバーはちょっと・・・」という方には、
サーバーのスペックが高ければ、訪問者がサイトを読み込む処理速度も早まりますので、いわゆる“入場制限”の状態が発生しにくくなり、503エラーが発生しにくくなるからです。
冒頭でお話したとおり、ウェブライダーは最近、某社からCPIサーバーに移ってきましたが、その理由は単純に、CPIサーバーのスペックは高いと噂に聞いていたからでした。(料金もやはりそれなりに高いですが・・・)
弊社では今、CPIサーバーの専用サーバーだけでなく、共用サーバーも使っていますが、以前借りていた他社の共用サーバーに比べると、503エラーが出る頻度がかなり減ったと体感しています。(これはあくまでも弊社の感覚です)
たくさんのサーバー会社がありますので、他社サーバーでも、しっかりした共用サーバーが用意されていれば、そちらを契約されてもいいでしょう。
●対策2
「専用サーバー」を検討する
次にオススメしたいのが、思い切って「専用サーバー」を借りることです。
専用サーバーは、文字通り、あなた専用のサーバーです。
同時接続数もある程度余裕がありますので、テレビなどの強力なメディアで取り上げられる際にも、安心できるでしょう。
ウェブライダーでは現在、クライアント様の案件用サーバーを含め、6台の専用サーバー(CPIの専用サーバーもその中に含まれます)を借りており、それぞれのサーバーで、アクセスの多いメディアやWebサービスを運営しています。
例えば、Web制作会社さんでしたら、専用サーバーを一台借り、そのサーバー内に複数のお客さまのWebサイトを展開するのもよいと思います。
そうすれば、誰が同居しているか分からない共用サーバーを複数契約するときのような心配は要らなくなります。
それが結果的に、503エラーの減少にもつながることでしょう。
Webマーケティングを生業としている私が言うのもなんですが、下手なWeb広告に投資するのであれば、まずはサーバーにお金をかけるべきだと思います。
繰り返し言いますが、安いサーバーでは耐えきれないほどのアクセスが、ソーシャルメディアからやって来る時代になっています。
月に数万円の広告費は使うのに、月に数千円ほどのサーバー代を節約したためにWeb集客の機会を失ったのだとしたら、本末転倒にも程があります。
もし、あなたがWeb担当者で、サーバーにコストをかけることに対する社内の稟議を通しにくいのであれば、「売上げアップに直結する投資」という視点で説得するといいでしょう。
よいサーバーを選ぶということは、保険であり、未来への投資です。
大事なのは機会損失をしないこと。
今、安さだけが強みのサーバーを借りてしまっていて、503エラーに悩まされているWeb担当者の方は、ぜひ一度サーバーの見直しを検討してみてください。
(※もし、上司への説明が難しい場合には、このページをプリントアウトしてお見せすることをオススメします)
●対策3
「キャッシュ」の技術を用いたり、画像のファイル数を減らしたりして、データの読み込み速度を改善する
Webサイトによっては、その構造が原因で、ひとつのアクセスに対して、読み込み完了までに時間がかかってしまっているケースがあります。
そうなると、先述したとおり、“入場制限”の状態を表す503エラーのメッセージが表示されてしまいます。
それを防ぐためには、Webサイトの構造を見直さなければなりません。
例えば、データベースへ頻繁にアクセスするようなWebサイトは、「キャッシュ」と呼ばれる技術を用いてみましょう。
キャッシュとは、簡単にいえば、データベースの呼び出し回数を減らすために、本来は動的であるコンテンツを「静的」なコンテンツにすることです。
例えば、WordPressには「WP Super Cache」というキャッシュ用のプラグインがあります。
このプラグインを使うことで、本来、毎回データベースへアクセスしてコンテンツを動的に取得している処理を、都度データベースへアクセスしなくて済むようにできるのです。
(※但し、動的に生成されたものを静的な形で保管するため、もし、サイトを更新したい場合には、一度キャッシュされた静的なファイルを上書きする必要があります)
このWordPressのプラグインのように、動的なコンテンツを静的なコンテンツとしてキャッシュ化する方法は幾つかあります。
例えば、訪問者のPCから、Webサーバーまでの間にキャッシュを置く方法もあり、それはCDN(Contents Delivery Network)と呼ばれるサービスを導入することで実現できます。
CDNに関して知りたい方はぜひ下記の記事をチェックしてください。
Service Temporarily Unavailable 503エラー対策方法(レンタルサーバーナレッジ)
また、キャッシュ以外にも、サイトで使われている画像ファイルの数を減らしたり、サイズを小さくすることでも、読み込み速度を上げることができます。
画像ファイルだけ別のサーバーに設置し、そのサーバーから呼び出すという方法もよくとられます。
Googleは今、サイトの読み込み速度を、検索順位決定のシグナルのひとつにしているため、サイトの読み込み速度を改善することは、Web集客の面でも有利です。
たとえば、Googleは以下のようなサービスも提供しています。
以下のツールは、URLを入れれば、ページの表示速度を評価してくれ、改善点をアドバイスしてくれる便利なサービスですので、ぜひ使ってみてください。
ただ、これらのキャッシュや高速化の仕組みを導入しても、根本となるサーバーに問題がある場合には、やはり限界があります。
そのため、サーバーの選定には常に気を遣うようにしてください。
6、サーバーを“単なるコスト”としてしか考えられない人は機会損失しているかも?
いかがでしょうか?
今回のコラムをきっかけとして、あなたのサイトから、503エラーの表示が減ることを願っています。
ごくたまに「今の時代、サーバーなんてどこもそこそこスペックがいいでしょ?」という方がいます。
たしかに、最近のレンタルサーバーは、どの会社のサーバーも昔に比べてスペックが上がっています。
ですが、503エラーが出るのは、そもそも、サーバーのスペック以上に、共用サーバーのビジネスモデルによるところが大きい、というところを忘れないでください。
ただの固定コストとして見過ごされがちなレンタルサーバーですが、
機会損失による安物買いの銭失いにならないよう、今回の記事の内容はぜひ憶えておいてくださいね。
●503エラーを防ぐ3つの対策
- 安さだけを強みにしている共用サーバーを選ばない
- 共用サーバーではなく「専用サーバー」を検討する
- 「キャッシュ」の技術を用いたり、画像のファイル数を減らしたりして、データの読み込み速度を改善する
最近では、サーバーの乗り換えをサポートするサーバー会社も増えてきました。
例えば、503エラーの強いCPIサーバーでも、無料のサーバー乗り換えサービスが行われています。
503エラーで悩んでいるけれど、サーバーの移転が難しそう・・・という方は、一度こういったサービスを展開している会社に問い合わせてみるといいでしょう。
その際、現状のサイト規模やアクセス値を伝えれば、どういうサーバーが最適なのかも教えてくれると思います。
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もし、レンタルサーバーの選び方についてもっと詳しく知りたい、という方は第二回のコラムもお読みください。