コンテンツマーケティングはこう進める!事例から学ぶ成功法則
(この記事は2022年9月29日に更新されました)
皆さん、こんにちは。京都のWebマーケティングチーム「ウェブライダー」の松尾です。
最近、某社からCPIサーバーに乗り換えたことがきっかけで、このコラムを書かせていただく機会を得ました。
前回、前々回と、レンタルサーバーの選び方に関するノウハウをお届けしてきました。
ソーシャルメディア隆盛の昨今、Webコンテンツがヒットすれば、急激なアクセスがやってきます。
その際、Webコンテンツがきちんと表示されるよう、サーバー周りの負荷対策が大事というお話をしました。
今回は少し視点を変え、“そもそも、アクセスを集めるためのWebコンテンツとはどう作ればよいのか?”ということをお話しします。
あなたは「コンテンツマーケティング」という言葉を聞いたことがありますか?
コンテンツマーケティングとは、シンプルにいえば、読み物や動画などの何らかのWebコンテンツを経由して、商品やサービスの認知をはかる手法のことを指します。
商品は興味のない人に売り込んでもなかなか振り向いてもらえません。
そこで、多くのWebマーケッターは、Webコンテンツをクッションとして商品の魅力に気付いてもらい、商品を“自分事化”してもらったあとで、セールスする手法を考えました。
たとえば、ひとつの例をあげてみましょう。
あるところに、ネットショップのオーナーがいました。
そのネットショップオーナーは自分が必要と思ったもの以外には投資をしないタイプの人で、とくにレンタルサーバーの料金に関しては、「レンタルサーバーなんてどこを選んでも同じだろ?なら、安いところのほうがいいに決まっている」と考える人でした。
ただ、そのネットショップオーナーには、最近ひとつ困っていることがありました。
それは、自分のショップが扱う商品がテレビなどで紹介されたときに、思うように売上げが伸びていないことでした。
なぜ、テレビで紹介されているのに売上げが伸びないのだろう?
商品のクオリティは悪くないのになあ・・・。
そんなふうに悩んでいたオーナーは、あるとき、何気なくネットサーフィンしていて見つけた記事に目を奪われます。
その記事には、Webサイトのアクセスアップの方法が書かれていました。
そして、その記事の中には、「テレビなどでWebサイトが紹介され、急激なアクセスが殺到すると、多くのサーバーは“503エラー”というメッセージを返し、Webサイトをしばらく見られなくする」という知識が書かれていました。
その記事を読んだオーナーは、雷に打たれたかのような“気付き”を得ます。
自分のネットショップの売上げが悪いのは、テレビで紹介された際に「503エラー」というメッセージが表示されているからかもしれないことがわかったからです。
そうなると、もう「503エラー」に関することが気になって気になって仕方ありません。
503エラーについて調べていく中で、オーナーは「503エラーが出やすいかどうかは、レンタルサーバーによって変わる」という事実を知ります。
そして、オーナーはついにレンタルサーバーを変更することにしたのでした。
いかがでしょうか。
この例では、元々「レンタルサーバーなんてどこも同じ」と思い込んでいたネットショップオーナーが、Webコンテンツをきっかけとしてレンタルサーバー選びの大切さを知り、最終的にはレンタルサーバーの変更を決めています。
もし、最初からこのネットショップオーナーに「レンタルサーバーを乗り換えたほうがいいですよ」と伝えても、オーナーにとっては、ただの売り込みにしか聞こえず、相手にしてもらえなかったでしょう。
ですが、オーナーが抱えている悩みを解決するようなWebコンテンツを見せれば、レンタルサーバー選びの大切さを“自分事”と認識してもらえ、レンタルサーバーを乗り換えてもらえる可能性が高まるのです。
これがコンテンツの力を使ったマーケティング、すなわち「コンテンツマーケティング」です。
今は多くの人が売り込みを嫌います。
なぜなら、検索エンジンをはじめとした情報取得ツールが便利になった分、自分に必要な情報、商品、サービスは、自分で見つけられる時代になったからです。
よって、
一消費者としても、必要のない商品をいきなり売りつけられるよりも、自分のペースで、自分にとってそれが必要かどうかを判断できる“余白時間”の存在は貴重ですよね。
このコンテンツマーケティング、ここ3、4年のWebマーケティング業界において、ホットな話題として注目され続けています。
そして、多くの企業が、このコンテンツマーケティングを全体のマーケティング施策に組み込むべく、試行錯誤をしています。
ただ、正直なところ、コンテンツマーケティングの成功事例はまだまだ少ないのが現状。
なぜなら、コンテンツの立案が下手なため、誰も必要としていないようなコンテンツを量産していたり、一度公開したコンテンツを活用しきれていない企業が多いからです。
そこで今回は、2009年よりコンテンツマーケティングをおこない、多くの成功事例をもつウェブライダーならではの視点で、コンテンツマーケティングに関するノウハウをお教えします。
それではまいりましょう。
●このページの目次
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「コンテンツマーケティング」ってそもそも何なの?
冒頭でコンテンツマーケティングに関する説明をしましたが、コンテンツマーケティングの定義についてもう少しだけ詳しく説明しておきます。
そのためには、まず「マーケティング」という言葉の定義に関して知っておく必要があります。
Marketing is the activity, set of institutions, and processes for creating, communicating, delivering, and exchanging offerings that have value for customers, clients, partners, and society at large.
(和訳)
マーケティングとは、顧客やクライアント、パートナーや社会全体にとって、価値のある提供物を創造、伝達、配達、そして交換するための活動や一連の制度、プロセスである。
この定義は米国マーケティング協会に書かれているもので、上記の和訳は私がおこなったものです。
この定義を元に、あらためて「コンテンツマーケティング」という言葉を定義してみましょう。
売り手が「ユーザーとの接点となるコンテンツ」を発信することで、そのコンテンツを介したユーザーとのコミュニケーションを生み出し、そのコミュニケーションを通じて、ユーザーに何らかの“気付き”を与える。
そして、その“気付き”を得たユーザーを将来の顧客へ変えるマーケティング手法のこと。
私は、この定義でも使った“気付き”という概念こそが、コンテンツマーケティングにとって欠かせないと考えています。
人はいきなり売り込みをかけられると拒絶してしまいますが、“自分事”となるコンテンツに触れれば、そのコンテンツをきっかけに、自分には見えていなかった商品の必要性や魅力に“気付く”場合が多いからです。
また、この“気付き”には以下のようなケースもあります。
ある若手看護師がいました。
その看護師は自分の患者さんに対して、病気や健康の話をわかりやすく伝えられればいいなあ、と日頃から考えていました。
そんな中、その看護師は、あるブログを見つけます。
そのブログは、病気や健康の話がとてもわかりやすく解説された、看護師にとっての救世主のようなブログでした。
そのブログを気に入った看護師は、やがて、そのブログに書かれている文章などをメモし、普段の患者さんとの会話で使うようになります。
あるとき、その看護師は諸般の事情で新しい職場を探すこととなりました。
「看護師の転職ってどうすればいいのかな・・・」
そう悩んでいた看護師は、何気なく、いつもお世話になっていたブログを開いて画面を眺めていました。
すると、そのブログに「看護師転職成功のコツ」と書かれているコーナーがあることに気付いたのです。
そのコーナーを覗いてみたところ、そこで紹介されていた転職に関するノウハウも、病気や健康の話と同様にとてもわかりやすいものでした。
「このブログにはずっとお世話になっているし、このブログが教えてくれることなら、間違いない!」
そう考えた看護師は、そのブログで紹介されていた転職相談所に問合せをすることにしたのです。
上記の事例は、自分にとってのメンター(助言者)の存在に気付くケースです。
コンテンツマーケティングをおこなった結果、コンテンツのファンが増え、ファンとの信頼関係が構築されると、コンテンツ提供側が権威性をもち、それまで訴求していたもの以上のものを訴求できるケースがあります。
少し印象は悪いかもしれませんが、いわゆる占い師などは、相手にアドバイスを与え続けることで、顧客との信頼関係を構築します。
ワイドショーなどを見ていると、よく「●●さんは占い師にのめり込んでいる」というニュースを見かけると思いますが、相手との信頼関係というのは、それほどまでに強固なものになりうるのです。
言い方は悪かったかもしれませんが、コンテンツマーケティングの究極の理想は
だといえます。では、ファンはどのようにして獲得していけるのでしょうか?
ファンを獲得するための方法は、相手に“信頼”してもらうこと
ファンを獲得するために大事なことは、
では、どうすれば、相手に信頼してもらえるのでしょうか?
その答えはカンタンです。
相手にとって“この人の話はわかりやすい”と感じてもらえればいいのです。
たまに“相手に威厳を示すために、あえて難しい話をする”という方がいらっしゃいますが、それは逆効果です。
なぜなら、難しい話をすればするほど、相手に“気付き”を与えにくくなりますし、“共感”もしてもらいにくくなるからです。
たとえば、あなたが、何か病気になったときのことを考えてみてください。
難しい言葉を使って、病気のことをややこしく説明する医師よりも、簡潔かつ丁寧な言葉を使って、病気のことをわかりやすく説明してくれる医師のほうが信頼できると思いませんか?
では、なぜ、わかりやすい話をする人は、信頼を集めるのでしょうか?
その答えは、 にあります。
わかりやすいという言葉は、漢字で書くと「分かりやすい」と書きます。
これは、“自分の知識を相手に分け与えることができるくらいに理解しやすい”という意味を指しています。
よって、わかりやすく説明するならば、自分の知識を相手にきちんと分け与えないといけない。
そのためには、相手のペースに合わすことが必要です。
相手のペースに合わさないと、バトンはうまく渡せませんから。
つまり、わかりやすく説明をするということは、相手の知識レベルを知って相手に合わせる、すなわち、
という行為なんですね。そう考えると、わかりやすい人が信頼される理由がわかってきますよね。
コンテンツは、ユーザーに“気付き”を与えるためのきっかけ
見込み客を育成し、将来の顧客に変えていく手法のことを「リードナーチャリング(Lead nurturing)」と呼びます。
コンテンツマーケティングにおいては、この「リードナーチャリング(Lead nurturing)」をどのように意識するかが重要です。
たとえば、ひとつの事例を紹介します。
税理士として独立したAさんという人がいました。
独立したばかりのAさんは「まずは、自社のホームページを作らねば」と考えます。
ただ、ホームページの制作をプロに発注するとそれなりに大きな費用がかかるので、Aさんは経費削減のため、ホームページを自分で作ってみることにしました。
とはいえ、Aさんはホームページの制作に関しては素人でした。
そこでAさんは「まずは自分で勉強してみよう」と考え、ホームページ制作の方法が無料で学べるサイトを見つけます。
そして、そのサイトを見ながら、HTMLとCSSの知識を学ぶことにしました。
6ヶ月後、Aさんのホームページはまだ完成していませんでした。
なぜなら、AさんのHTMLとCSSの知識はほとんど成長していなかったからです。
勉強を始めたのはいいものの、普段の業務に忙殺されて、ほとんど学ぶことができていなかったのです。
そうこうしている間に、自分と同じ時期に起業をしたBという税理士は立派なホームページを立ち上げ、Webからの集客に成功していました。
Aさんはようやく気付きます。
経費をケチらずに、最初からプロに頼んでおけばよかった・・・と。
上記はWeb業界でよく聞く話ですが、結果的に、Aさんは約半年の期間、Webからの集客ができていない状態に陥りました。
HTMLやCSSの勉強をしている中で「ホームページの制作って大変・・・だ。これはプロに任せて、自分は本業に集中しよう」という意識になればよかったのですが、そうなりませんでした。
その理由は、Aさんのまわりに、その気付きを与えてくれる人がいなかったり、その気付きを与えてくれるコンテンツがなかったことが原因です。
もし、Aさんがよく見ていた「ホームページ制作の方法が無料で学べるサイト」に、「使ったお金はいつでも取り戻せるけれど、失った時間は二度と戻ってきません。もし、自分が機会損失をしているとお思いなら、思い切ってプロに発注するのもオススメです」というメッセージが書かれていたのであれば、Aさんに“気付き”が生まれ、失敗はしなかったかもしれません。
コンテンツ設計で重要な5つのポイント
コンテンツマーケティングにおいては、まずは、コンテンツを見てもらわないと話しになりません。
そのため、「どんな人に、どこで見てほしいのか?」という戦略が重要になります。
そこで、コンテンツ設計時に考えておかなければならないポイントを5つまとめてみました。
●コンテンツ設計で重要なポイント 5つ
- ターゲットを設定する
- 露出経路を意識する
- 高いクオリティのコンテンツをつくる
- ブラッシュアップ可能な状態にしておく
- 見込み客の育成(リードナーチャリング)を意識する
ここで、「2」の露出経路について取り上げてみます。
露出経路にはさまざまなものがありますが、私がとくにオススメしたいのはSEOによる露出です。
SEOのメリットは、予算をかけなくても継続的に上位表示できること。
何度も露出できれば、ユーザーとの接触機会も増えます。
そうなれば、ザイアンス効果により、あなたのコンテンツに好感を持たれる可能性が高まるということです。
SEOで成果をあげるためには、コンテンツの内容にこだわるだけでなく、外部からのリンクも必要です。
ただ、最近、外部からのリンク獲得を気にするあまり、落とし穴に陥るケースを見かけるようになりました。
それは、ソーシャルメディアを介して、とにかくバズ(クチコミ)を生み出そうとするケースです。
お笑い系のネタコンテンツは危険!?
なぜ、ソーシャルメディアでバズを生み出すだけではダメなのか?
今、多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組み始めています。
ですが、幾つかの企業がコンテンツマーケティングの本質を見失ったコンテンツを投下しています。
例えば、以下のような例です。
まずはとにかく、ソーシャルメディアでバズを起こしたいので、みんながシェアしたくなるような「ネタコンテンツ」を投下する
どんなによいコンテンツも見てもらわなければ意味がないとはいえ、「ネタ志向」な考えが暴走すると、「とにかく、目立つコンテンツを投下すればよい」という考えにシフトしてしまいます。
例えば、「お笑い系のネタコンテンツ」はソーシャルメディアでバズりやすい傾向にありますので、バズるコンテンツと聞くと、多くの人がネタ系コンテンツを思い出すかもしれません。
しかし、ネタ系コンテンツを提供する際には、下記のようなリスクがつきまといます。
- その企業・製品・サービスのブランドを長期的に汚すリスク
- 見込み客の育成につながらないリスク
- 既存客の「客離れ」につながるリスク
上記の「1」に関しては、極端な話、今まで真面目なイメージだった企業の担当者がいきなり裸踊りなどを始めると(まあ、裸踊りを提案する会社はいないと思いますが・・・)、それがどれだけ面白くても、今まで積み上げてきたブランドイメージが一瞬で粉々になってしまう可能性があります。
ブランドイメージが悪くなれば、これまで積み上げてきた信頼はなくなり、商品やサービスが売れなくなってしまうでしょう。
何より一番恐いのは、ネットでコンテンツを公開するということは、その評価が“アーカイブ”されるということです。
もし、コンテンツが炎上してサイトを閉鎖したとしても、そのコンテンツに対する評価は、ネット上にアーカイブとして永遠に残り続けるのです。
もちろん、ネタ系コンテンツの見せ方次第では、真面目な企業さんが面白いことを発信することで、「真面目だと思ってたけど、面白いことをする余裕のある企業さんなんだ」というイメージを発信できるケースもあります。
また、コンテンツの表現の一環として、難しいノウハウをわかりやすく解説するために、あえてネタ系の要素を取り入れることもあります。
ただ、くれぐれも気をつけなければならないのは、ブランド(品)は大切にするということ。
コンテンツをつくっている側がどれだけ楽しくても、その周りにいる潜在顧客に冷ややかな目で見られてしまっては逆効果ですので、くれぐれも注意するようにしましょう。
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ウェブライダーのコンテンツ事例
では、ここで、ウェブライダーが過去おこなってきたコンテンツマーケティングの事例を一部ご紹介します。
ネタっぽく見えるコンテンツもありますが、「なぜ、こんなコンテンツをつくったのだろう?」「このコンテンツの目的って何だろう?」と考えてみてもらえると嬉しく思います。
●東京エクセル物語
http://www.hello-pc.net/excel-story/
婚活パーティーに通うアラサーOLが、運命の出会いを探すためにExcelの関数を覚えていくストーリー。
主人公の真由美は、過去に出会った男性のデータをExcelのシートで管理していた。
テーマソング「私の心の中の関数」をバックに繰り広げられる、21世紀型恋愛がここにある。
●沈黙のWebマーケティング~Webマーケッターボーンの逆襲~
https://www.cpi.ad.jp/bourne/
40KgのノートPCを操る謎のWebマーケッター「ボーン・片桐」。
またの名を「パーフェクト・リボーン(完全再生請負人)」。
あらゆるWebサイトの再生を手がけてきた彼は、Webマーケティング業界における「生きる伝説」とされていた。
そんな彼の次なる依頼は、Web集客に失敗しているオーダー家具「マツオカ」のサイトの再生。
果たして彼は、マツオカのサイトをパーフェクト・リボーンできるのか!?
すべてのWeb担当者のマーケティングが加速する、ハードボイルドストーリー。
●沈黙のWebライティング~Webマーケッターボーンの激闘~
https://www.cpi.ad.jp/bourne/
沈黙のWebマーケティングの第2弾。
須原にある温泉旅館「みやび屋」は、若干20代という若さで女将を務める「宮本サツキ」と、その弟「宮本ムツミ」が切り盛りする老舗旅館だった。
しかし、そのみやび屋は、日本が東京オリンピックで盛り上がる一方で、立地の問題や、近隣に立った外資系ホテルの圧力によって経営難に陥っていく。
そんなみやび屋を救うため、ボーンのWebライティングが炸裂する・・・!
という内容でWebライティングのノウハウを学べる、ハードボイルドストーリー。
●知らないと損をするサーバーの話
https://www.cpi.ad.jp/column/
某社からCPIサーバーへ移行してきたウェブライダーの松尾が書く、Web集客の観点から見たレンタルサーバーのお話。
これまであまり触れられていなかった、レンタルサーバーの裏側について、第三者視点で書き綴っています。
あなたが今読んでいるこのコラムです。
●CD「恋のSEO!/マージントップで歌わせて」
http://www.web-rider.jp/koinoseo/
SEOに疲れたすべてのWeb担当者に送る、SEO応援ソング。
カップリングは、Web制作に疲れたすべてのWebクリエイターに送る応援ソング。
実はこれらのコンテンツには、ウェブライダーなりのコンテンツ制作のポリシーが注ぎ込まれています。
続いて、そのポリシーをご紹介します。
ウェブライダーのコンテンツ制作ポリシー
ウェブライダーでは、下記のポリシーでコンテンツをつくっています。
●「内容」に関する3つの要因
- 商品購入・サービス契約に至る“気付き”を与えられる
- 困った時につい見てしまう&使ってしまう、“ユーティリティ(機能)”を持っている
- 3年後もシェアしてもらえる、色褪せない内容である
●「演出」に関する3つの要因
- 難しいノウハウを“わかりやすく”解説している
- その企業・商品ブランドの「品」を守っている
- そのコンテンツを納品したお客さまが、他社に自慢したくなる
●「露出・拡散」に関する3つの要因
- 検索流入(SEO)を意識している
- ソーシャルメディアでの拡散を意識している
- コアなファンがつきやすい内容である
●「調整・拡張」に関する3つの要因
- いつでも修正・変更できるようにしている
- コンテンツを追加しやすくしている
- “横展開しやすい”内容にしている(電子書籍化、動画化など)
例えば、「3年後もシェアしてもらえる、色褪せない内容」であることは、SEOにおいて、継続的なリンクを集めるために重要です。
一過性のノウハウや情報などは、時期が過ぎると急激にシェアされなくなりますから、継続的なリンク獲得が難しい傾向にあります。
そうなれば、そのコンテンツは検索順位をどんどん落とし、検索結果で露出しづらくなるのです。
そのため、私がオススメしたいのは、可能な限り、普遍的なテーマを扱うことです。
(但し、業界の「最新情報」などを好むユーザーもたくさんいるので、そのあたりの棲み分けは必須です)
また、「コアなファンがつきやすい内容」ということも重要です。
こちらもSEO寄りの考え方なのですが、コアなファンは、ソーシャルメディアでの拡散に積極的に協力してくれやすい傾向にあります。
そのため、万人に受ける内容ばかりでなく、コアなファンを刺激する内容や演出も意識すると良いでしょう。
困った時につい見てしまう&使ってしまう、“ユーティリティ(機能)”を持っているコンテンツ
次に、「ユーティリティ(機能)的なコンテンツ」について解説します。
ユーティリティ的なコンテンツとは、そのコンテンツに何らかの“ユーティリティ(機能)”を持たせたものです。
最近見かけたコンテンツ事例で、これはまさにユーティリティ的なコンテンツだ!と思った動画がありますので、紹介しておきます。
これは、ロッテの「カフカ」というお菓子のテーマソングらしいのですが、実は、この動画にはあるユーティリティ(機能)が付与されています。
この動画におけるユーティリティ、それは・・・「この曲を聴くと、96.2%の子供が泣き止む」というものです。
この曲は、日本音響研究所の鈴木松美博士監修の元、科学的に作曲されたということで話題となり、2014年3月25日現在、約900万回、再生されています。
この動画のターゲットは・・・もうおわかりですよね。
子育てをするママさん、パパさんです。
このキャンペーンにおける商材は「お菓子」。そして、ターゲットは「子供」。
ですが、ターゲットである子供は一人でお菓子を購入できないので、その子供に最も近いママさん・パパさんにターゲットを合わせたわけです。
曲を聴いているうちに「あ、ロッテのカフカを食べたい・・・!」となる人がどれだけいるかは不明ですが、スーパーに行ってカフカのお菓子を見つけた子供の中には、「あ、カフカだ!」と喜ぶ子供がいるかもしれません。
リードナーチャリングにおける啓蒙の要素は少ないですが、ユーザーとの接触回数を増やすという意味では成功している事例です。
●ロッテの公式サイトより
「グズった子どもが泣きやむかも!?不思議な「泣きやみ」動画配信中」
この動画の面白いところは、ユーティリティを付与し、コンテンツを見る“理由”を与えたことです。
コンテンツを見る理由ができれば、何度もそのコンテンツが閲覧されますよね。
子供が泣き止む歌といえば、その昔、探偵ナイトスクープというTV番組でも取り上げられた「タケモトピアノのCMソング」も有名ですね。
あなたのコンテンツにはユーティリティ要素がありますか?
もし、その要素があるのなら、その要素をもっと訴求するといいかもしれません。
ユーティリティ要素を与えたコンテンツの一例
-
これで採用は成功する!中小企業向け中途採用マニュアル
ある人材派遣会社がつくった、中途採用が上手くいくためのマニュアル。
このマニュアルには、その人材派遣会社ならではのノウハウがふんだんに書かれている。
その結果、マニュアルを見た多くの人は、その人材派遣会社のすごさを知ることになる。 -
【永久保存版】SEOを成功させるための37項目のチェックシート
あるSEO会社がつくった、SEOを成功させるために重要な施策をまとめたチェックシート。
SEOを強化したい企業が、Web担当者の教育などで使うことを想定している。
このマニュアルを見た多くの人は、そのSEO会社のおこなっている施策について安心感を抱き、一度話を聞きたいと思うようになる。 -
コンテンツマーケティングはこう進める!事例から学ぶ成功法則
コンテンツマーケティングの進め方について知りたいWeb担当者向けに、事例をもとに、コンテンツマーケティングを成功させるコツをわかりやすく解説した記事。
ちなみにこのページのことです。
難しいノウハウを“わかりやすく”解説しているコンテンツ
どれだけ優れたノウハウも、露出しなければ見てもらえません。
同様に、どれだけ優れたノウハウも、わかりやすくなければ伝わりません。
コンテンツマーケティングにおいては「わかりやすさ」の演出がすごく大事なのです。
マーケティングの本質は「伝える力」でもあります。
例えば、文章一つにしても、「どう書けば、もっと読みやすくなるか?」を常に意識しておくことは大切です。
わかりやすさの表現例
●コンテンツの形態を工夫してみる
- 会話調にする
- 漫画風にする
- 動画にする
- 小説(ストーリー)にする
- プレゼンのスライド風にする
- 歌にする
- ゲームにする
●読みやすい文章を書く
- 難しい表現を極力使わない
(例:漢字と平仮名を使うルールを決めておく) - 行間(マージン)をしっかりとる
- 色使いなどの強調にルールを決める
(例:信号機をモチーフに「赤」は禁止・警告、「紺色」は肯定、「緑」は例示など)
●演出してみる
- 書き手を変える
(例:○○見習いが書く、中学生が書く、ギャルが書く、小悪魔女子大生が書く) - ~風に書く
(例:時代劇風に書く、恋愛小説風に書く、ハードボイルド風に書く) - ○○に乗っかる
(例:進撃の巨人、艦これ、パズドラ)
いつでも修正・変更できるようにしているコンテンツ
Webコンテンツの最大の利点とは何でしょうか?
私は次のように考えています。
いつでもブラッシュアップできること、であると。
Webコンテンツは紙媒体などと違って、修正・変更がすぐにできます。
ユーザーから「読みにくい」という反応があれば、読みやすくするための対策を講じたり、「もっと●●が知りたい」という反応があれば、その情報を追加したりと、そういったインタラクティブな対応ができるのがWebの強みです。
ですから、更新しやすいコンテンツを設計することは大事なのです。
更新しやすいコンテンツとは、例えば、ブログ記事などの「テキストコンテンツ」でしょう。
テキスト(文章)であれば、誰でも書けますし、WordPressなどのCMSを用いているのであれば、管理画面からの編集が可能です。また、最近のWordPressはスマートフォン用のUIを用意していますので、外出中であっても、スマートフォンから簡単に記事の編集ができてしまいます。
もしこれが動画や画像であれば、ちょっと編集するだけでも大変です。
もちろん、動画や画像にはそれぞれコンテンツとしての魅力はあるので、使わない手はないのですが、テキストコンテンツの良さもしっかり理解しておいてください。
「沈黙のWebマーケティング」の第二話では、テキストコンテンツがなぜ魅力的なのか?をさらに詳しく解説しています。
“横展開しやすい”コンテンツ
せっかくつくるコンテンツですから、できるかぎり有効活用して、ユーザーの積極機会を増やしたいですよね。
例えば、Webコンテンツの横展開としては、下記のようなことが可能です。
- 音声や映像にして、Youtubeなどに投稿する
- 音声CDや、映像DVDにして、パッケージでリリースする
- 書籍化して、書店の流通に乗せる
- 電子書籍化して、AmazonのKindle Storeなどで販売する
- アプリ化して、アップルの「App Store」や、Androidのストアなどで販売する
- ポスターやチラシにして、町の施設に張らせてもらったり、配ったりする
横展開を考えた際、テキストコンテンツは、書籍化や音声Book化しやすく、横展開しやすいコンテンツの一つだといえます。
また、動画コンテンツも、動画を撮影した後に、動画内で話したことを文字起こしすれば、テキストコンテンツとして横展開できます。
まとめ。コンテンツマーケティングは、その「設計プロセス」が重要
最後に、今回ご紹介した重要なポイントをまとめておきます。
下記のポイントを抑えながら、コンテンツマーケティングに取り組んでみてください。
●コンテンツ設計で重要なポイント 5つ
- ターゲットを意識する
- 露出経路を意識する
- 高いクオリティのコンテンツをつくる
- ブラッシュアップ可能な状態にしておく
- 見込み客の育成(リードナーチャリング)を意識する
●「内容」に関する3つの要因
- 商品購入・サービス契約に至る“気付き”を与えられる
- 困った時につい見てしまう&使ってしまう、“ユーティリティ(機能)”を持っている
- 3年後もシェアしてもらえる、色褪せない内容である
●「演出」に関する3つの要因
- 難しいノウハウを“わかりやすく”解説している
- その企業・商品ブランドの「品」を守っている
- そのコンテンツを納品したお客さまが、他社に自慢したくなる
●「露出・拡散」に関する3つの要因
- 検索流入(SEO)を意識している
- ソーシャルメディアでの拡散を意識している
- コアなファンがつきやすい内容である
●「調整・拡張」に関する3つの要因
- いつでも修正・変更できるようにしている
- コンテンツを追加しやすくしている
- “横展開しやすい”内容にしている(電子書籍化、動画化など)
今回の記事があなたのコンテンツマーケティングの一助となれば幸いです。
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