本格的にインターネットの普及がはじまる
インターネットは、当初大学や研究機関のデータ共有が目的でした。一般に普及する契機は、接続を手軽に行える1995年のWindows 95の登場です。Webデザインは1993年にHTML 1.0が公開され、マークアップによるタイトルや見出しによるデザイン表現が始まります。
世界初のWebサイトは、テキストのみのデザイン
Webサイトの歴史は1991年のティム・バーナーズ=リー氏によるWWWの提唱によってはじまりました。当時はテキストのみのデザイン。バーナーズ=リー氏は、URL・HTTP・HTML の最初の設計も手掛けました。
国内のインターネット接続は「ダイヤルアップ接続」と「ISDN」が主流
この時代の一般のネット利用はパソコン通信が主流でした。ダイヤルアップ接続という電話回線を用いた通信で、初期の通信速度は300bps。通信と電話の同時利用できず、ホストコンピュータにつながった回線同士のみが通信をおこなえる限定的な方法でした。
1995年にはNTT東日本・西日本が電話料金(ダイヤルアップ接続含む)定額制サービス「テレホーダイ」を提供開始し、さらに一般家庭でも購入しやすい価格帯でインターネット接続機能が標準搭載されたWindows95が提供開始され、一般や個人のインターネットへの関心と普及が広がります。また、デジタル化された電話交換網である「ISDN(Integrated Services Digital Network)」は、同じ電話番号で音声通話とデータ通信ができるため、人気となりました。
ファイル転送プロトコル「FTP」公開開発
アバイ・ブーシャン氏により、ファイルを転送するプロトコル「FTP(File transfer protocol)」がRFC 114として公開されました。
インターネットプロトコル「TCP/IP」公開開発
米国国防高等研究計画局(DARPA)や米スタンフォード大学の尽力によって、インターネットのプロトコルである「TCP/IP」の最初の仕様がRFC 675として公開されました。TCP/IPは、TCP(Transmission Control Protocol)とIP(Internet Protocol)という2つのプロトコルの総称です。
「Adobe® Illustrator®」をAdobeがリリースソフト
Adobeは、初のPostScript専用ベクターツール「Adobe Illustrator 1.0」をApple Macintosh用としてリリースしました。
画像ファイルフォーマット「GIF」(GIF87a)公開
CompuServeは、ファイル容量を圧縮する画像フォーマット「GIF(Graphics Interchange Format、GIF87a)」を公開しました。
「Photoshop®」をAdobeがリリースソフト
Adobeは、画像編集ソフト「Adobe Photoshop 1.0」をApple Macintosh用としてリリースしました。
世界初のWebサーバー「CERN httpd」誕生開発
CERN(欧州原子核研究機構)にて開発されたWebサーバー用のプログラムです。ハイパーテキストの提唱者、ティム・バーナーズ=リー氏らの手によります。本プログラムを搭載したコンピュータが、1990年のクリスマスに世界初のWebサーバーとして登場したと言われています。
インタープリタ型プログラミング言語「Python®」公開開発
Python(パイソン)は、インタープリタ(逐次実行)型のプログラミング言語で、グイド・ヴァンロッサム氏が開発しました。1989年から開発は始まり、1991年2月にversion 0.9.0を公開しました。
世界初のWebページとして「World Wide Web」誕生
1991年8月6日、CERN(欧州原子核研究機構)のWebサーバ上に、ティム・バーナーズ=リー氏などが、テキストベースのWebブラウザによる世界初のWebページを公開しました。本ページは、CERNにて今でも記念に公開されています(http://info.cern.ch/hypertext/WWW/TheProject.html)。
「日本初のWebサイト」誕生
1992年9月30日に、KEK(当時:文部省高エネルギー物理学研究所計算科学センター、現在:高エネルギー加速器研究機構)は、日本初となるWebサイトと日本初となるHTML(Hyper Text Markup Language)によるページを公開しました。なお https://www.ibarakiken.gr.jp/www/ から当時のWebページを閲覧できます。
画像フォーマット「JPEG」規格化
Joint Photographic Experts Groupなる国際機関が、デジタル静止画像を圧縮する手法としてJPEGを規格化しました。非可逆的な圧縮方法を利用し、少ないファイル容量で1,680万色の表示が可能です。そのため写真をWebに公開する際に利用されました。
米イリノイ大学、米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)、Webブラウザ「NCSA Mosaic」リリースブラウザ
インターネットのマークアップ言語「HTML1.0」公開マークアップ
ティム・バーナーズ=リー氏とダニエル・コノリー氏は、IETF(Internet Engineering Task Force)にHTML(HyperText Markup Language)のバージョン1.0をインターネット・ドラフトとして提出しました。ハイパーリンク、画像の埋め込み、見出しや段落といった書類構造、フォントや文字色などを指定できました。
Adobeが「Acrobat®」をリリース、電子文書ファイル形式「PDF」公開ソフト
Adobe が、電子文書閲覧ソフト「Adobe Acrobat」をリリースし、同時にそのフォーマット「PDF(Portable Document Format)」を公開しました。PDFは、OSに依存せずに電子文書を閲覧、共有する際の形式として広く使われるようになりました。
「CGI」登場開発
CGI(Common Gateway Interface)は、Webサーバーが外部プログラムを呼び出せる仕組みです。NCSAが定義し、最初にNCSA Httpdに実装しました。CGIによって、検索サイト・掲示板・ショッピングサイト・メールフォームなどが誕生しました。
世界で2番目に開発されたWebサーバー「NCSA Httpd」登場開発
ティム・バーナーズ=リー氏らが開発したCERN httpdに次ぐ、世界で2番目に開発されたWebサーバーと言われています。またCGI(Commmon Gateway Interface)を初めて導入しており、これにより動的なWebサイトの制作、表示が可能になりました。その後の開発は、Apacheプロジェクトが引き継ぎました。
After Effectsの前身「Cosa After Effects」リリースソフト
The Company of Science & Artは、ビジュアル・エフェクト/動画作成のパッケージソフト、Cosa After Effects バージョン1.0をリリースしました。その後、Adobeが本ソフトの権利を得て、バージョン3.0からAdobe After Effectsとしてリリースしています。
ロボット方式の検索サイト「Infoseek」誕生検索エンジン
ロボット方式の検索とは、Webページを自動的に収集して、特徴をデータベース化し検索に利用するものです。Infoseekは、ロボット方式を採用した検索サイトの草分けと言われています。
「Yahoo!®」誕生検索エンジン
最初は、創設者のジェリー・ヤン(楊致遠)氏とデビッド・ファイロ氏が制作した、ユニークなWebサイトを紹介するサイトでした。
「首相官邸公式サイト」開設
当時の内閣参事官、松井孝治氏が、パソコンが一台もない官邸に、Webサーバーを持ち込み、サイトやページを作成し公開しました。
「W3C(World Wide Web Consortium)」設立マークアップ
Netscape Communications、「Netscape Navigator 1.0」リリースブラウザ
Netscape Communicationsが、高性能なWebブラウザとして「Netscape Navigator 1.0」をリリースしました。高機能で簡単、かつ機能制限版の無償配布もあって、一世を風靡するWebブラウザになりました。
日本IBM、個人でもWebサイトやページを作れる「ホームページ・ビルダー」リリースソフト
HTMLの知識不要でWebサイトやページを手軽に作成できるパッケージソフトです。本ソフトの登場で、趣味のWebサイトや個人ブログも多く誕生しました。日本IBMが開発し、2010年からはジャストシステムが開発、販売を行っています。
「阪神淡路大震災」発生
暗号通信プロトコル「SSL」発表開発
Web上のデータ保護のため、Netscape communicationsは、暗号通信プロトコル「SSL(Secure Sockets Layer)」を開発、開発時の課題解決の後、SSL 2.0を公開しました。1995年3月リリースのNetscape Navigator 1.1 に実装しました。
Webサーバーソフトウェア「Apache 」 公開開発
Apacheグループが、最初の公式パブリックリリース「Apache(0.6.2)」を公開しました。
Sun Microsystems、「Java」公開開発
Javaは、オブジェクト指向のプログラミング言語です。Sun Microsystems(後にOracleが買収)が、当初家電製品用に開発しました。その後、Webへの対応を目指し、当時の人気Webブレラザ、Netscape Navigatorで採用されるなど、人気を博し今に至っています。Javaによる、ブラウザ上でのアニメーションの表示やインタラクティブな操作は画期的な出来事でした。
オープンソースのプログラミング言語「PHP」公開開発
ラスマス・ラードフ氏は、個人的に開発したプログラミング言語「PHP」をオープンソースライセンスの下で公開しました。PHPは、サーバーサイドで動的なウェブページを作成できる機能を、豊富に有するのが特徴です。
NTTパーソナルとDDIポケット、近距離の無線通信用「PHS」サービス開始
NTTパーソナルとDDIポケットは、日本発の規格である、近距離向け通信規格を利用した「PHS(Personal Handy Phone System)」のサービスを開始しました。
ECサイト「Amazon.com」サービス開始
Amazon.comは、当初オンライン書店としてサービスを開始しました。
Microsoft、「Internet Explorer1.0」リリースブラウザ
「Netscape Navigator 2.0」リリースブラウザ
Netscape Communicationsが「Netscape Navigator 2.0」と「Netscape Mail 2.0」をリリースしました。
NTT東日本・西日本、定額でダイヤルアップ接続できる「テレホーダイ」提供開始
Netscape Communications、「JavaScript」公開開発
マイクロソフト、「Windows95」リリースOS・機器
Windows95は、インターネットを意識して、TCP/IPを標準搭載、ダイヤルアップ接続機能やInternet Explorerを付属(OSR2から)し、格段にインターネット接続を容易にしました。国内でもWindows95は発売前から注目を集め、発売日の11月23日には、多くのパソコン店が深夜に販売記念イベントを開催し、店頭には買い求める人々が殺到しました。(米国での発売は、1995年8月)
IETF 、「HTML 2.0」公開マークアップ
Webページ等のプロトコルであるHTMLのバージョン2.0が、RFC 1866としてIETF から公開されました。これ以降、HTMLは、W3Cの管轄に移ります。2.0は、META 、HR(水平線)、BR(改行)、FORM関連を採用しました。1996年5月には TABLE関連の機能も追加しました。
本格的な全文検索サイト「AltaVista」登場検索エンジン
AltaVistaは、DECの研究所で開発された、高速な全文検索エンジンを利用した検索サイトです。多言語検索ができ、非アルファベット文字の言語にも対応していました。
まつもとゆきひろ氏、「Ruby」公開開発
Rubyは、オープンソースのオブジェクト指向スクリプト言語です。日本人が開発したプログラミング用言語としては、初めて国際電気標準会議(IEC)から国際規格に認証されました。